演題

O3-113-6-5

食道癌根治術後Oligometastasisに対する治療戦略

[演者] 二宮 卓之:1
[著者] 金谷 信彦:1, 前田 直見:1, 田辺 俊介:1, 櫻間 教文:1, 野間 和広:1, 西崎 正彦:1, 香川 俊介:1, 白川 靖博:1, 藤原 俊義:1
1:岡山大学大学院 消化器外科学

食道癌術後再発では再発部位とともに再発個数も重要な予後因子である.近年,他臓器癌でoligometastasis(以下, OM)という概念が提唱され,少数の転移再発病変の場合,集学的治療により予後が延長するという報告が散見される.しかし,食道癌におけるOMの意義,治療戦略はcontroversialである.【方法と結果】OMを2個以内の転移再発,multiple metastasis(以下,MM)を3個以上の転移再発と定義した.2010年4月から2014年12月の期間で胸部食道癌に対しR0手術を行った218例を後方視的に検討したところ,計63例(28.8%)に再発を認め,再発形式はOM群21例,MM群42例であった.年齢中央値はOM群63歳,MM群67歳であった.手術時の臨床病期(UICC)はOM群 0/Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ/Ⅳ1/7/4/9/0, MM群0/Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ/Ⅳ1/4/3/37/7であった.術前治療(化学療法または化学放射線療法)はOM群で15例(70.3%),MM群で26例(71.4%)に施行されていた.術後補助療法はOM群で16例(76.2%),MM群28例(66.7%)であった.手術から再発までの期間は平均でOM群358日(115-835日),MM群270日(58-652日)とOM群はMM群と比較し再発までの期間が長期であった.再発形式はOM群でリンパ節再発17例(81.0%),肺転移2例(9.5%),副腎転移1例(4.8%),骨・腎への同時転移1例(4.8%)であった.MM群ではリンパ節再発と他臓器転移12例(28.6%), リンパ節転移 11例(26.2%), 他臓器転移10例(23.8%), 播種再発 3例(7.1%), 播種と他臓器転移2例(4.8%), 局所再発とリンパ節再発2例(4.8%)であった.再発に対する治療はOM群で化学放射線療法11例,手術8例,化学療法1例,放射線治療1例に対しMM群では化学療法32例(76.2%), 化学放射線療法6例(14.3%),その他4例(19.5%)であった.再発診断後のoverall survivalは平均でOM群 686日,MM群300日で,MM群が不良であった.【まとめ】OMはMMと比較し化学放射線療法や手術といった局所制御率の高い治療が適応となることが多く,予後改善の見込める再発形式であると考えられる.
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