演題

O3-113-6-4

食道癌術後サーベイランスにおけるPET-CTの有用性

[演者] 工藤 道弘:1
[著者] 塩崎 敦:1, 藤原 斉:1, 小西 博貴:1, 小菅 敏幸:1, 小松 周平:1, 中西 正芳:1, 市川 大輔:1, 岡本 和真:1, 大辻 英吾:1
1:京都府立医科大学医学部 消化器外科学

【緒言】食道癌の治療成績は医療技術の進歩に伴い向上しつつあるが,未だに術後再発症例は多く,再発の早期発見・治療が求められている.一方で食道癌の術前病期,再発診断においてPET-CTの精度の高さが報告されている.当科では2008年以降食道癌術後に4-6か月毎の定期的PET-CTを施行してきた.今回我々はPET-CTを中心とした術後サーベイランスの臨床成績について検討したので報告する.
【対象と方法】R0手術が施行された食道扁平上皮癌症例の内,2008年から2014年までに術後再発を診断された68例の成績を検討した.
【結果】男性56例,女性12例,年齢は中央値67際(48~83歳),観察期間は中央値726日(164-3226日)であった.手術は全例で食道亜全摘,2または3領域郭清が施行されていた.術後病理診断は,pT1: 17例,pT2: 13例,pT3: 38例,48例でリンパ節転移を認めた.再発までの期間は中央値231日(52-2780日),再発診断が成された画像検査はPET-CTが58例,CTが10例であった.単発再発例を34例(50%)で認めた.また,再発病変の長径の中央値は12mm(3-63mm)であり,単発,微小病変を有効に診断できていると考えられた.微小再発病変の内,CTでは診断困難であったが,FDGの集積によって確定診断が可能となった病変が存在した.一方でPET-CTで体幹外の病変(肘関節転移,脳転移)を診断できており,特にこの脳転移症例は無症状下に発見され,早期にγナイフを施行し,現在再発後4年が経過し無再発生存中である.次に再発後の生存期間について予後良好因子を単変量解析で検討したところ,単発再発症例,再発にCRTを施行した症例(30例),静脈侵襲陰性例(38例)が有意に予後良好であり,これらを多変量解析にかけると,CRTが独立した予後良好因子となり,静脈侵襲,単発再発のp値は0.08であった.特に単発再発症例の内,10mm未満で発見された症例は再発後2年生存率85.7%と極めて予後良好であった.
【考察】PET-CTを中心とした術後サーベイランスによって再発診断された症例の検討を行ったところ,単発再発を高率でみとめ,PET-CTは微小再発病変,体幹外再発病変の診断に有用であった.また10mm未満かつ単発再発を早期診断できた症例は極めて予後良好であり,PET-CTはこれらの早期診断に寄与している可能性があると考えられた.
【結語】当院における食道癌術後再発症例の予後因子と,PET-CTの有用性について検討し報告した.
詳細検索