演題

O3-113-6-2

食道扁平上皮癌における予後予測因子としての末梢血液像検査の有用性および再発後治療についての検討

[演者] 本城 裕章:1
[著者] 吉田 知典:1, 栗山 健吾:1, 熊倉 裕二:1, 原 圭吾:1, 酒井 真:1, 横堀 武彦:1, 宗田 真:1, 宮崎 達也:1, 桑野 博行:1
1:群馬大学大学院 病態総合外科学

【背景】近年,治療前末梢血液像検査の予後予測因子としての有用性がさまざまな固形癌において報告されている.末梢血液像検査は日常臨床において汎用性が高く,新たなバイオマーカーとしての開発費用も不要であることから食道癌における臨床的意義を検討することは有益であると考えられる.
【対象・方法】①2009年1月から2014年12月の期間に当科で食道扁平上皮癌に対する3領域郭清を伴う根治手術を施行した80症例を対象とした.Retrospectiveに病歴を調査し,術前の抹消血液像検査結果と予後・臨床病理学的因子との関連を解析した.②2004年1月から2014年12月に3領域郭清を伴う食道根治手術を施行した食道扁平上皮癌223例を対象として再発様式および再発後治療について解析した.
【結果】①対象は男性66名,女性14名,年齢は中央値66歳(45~81歳).5年全生存率(OS)は58.3%,無再発生存率(RFS)は50.7%だった.各白血球分画についてROC曲線を作成し,リンパ球数のカットオフ値を1990,単球数のカットオフ値を350とした.術前リンパ球数高値群ではRFSにおいて有意に予後不良であり(p=0.0064),再発症例が多かった(p=0.0025)ものの,OSでは差は認めなかった.術前単球数高値群ではOS(p=0.017),RFS(p=0.043)ともに有意に予後不良だった.リンパ球数1990以上かつ単球数350以上の症例をvery high risk群(n=19)とし,リンパ球数1990未満かつ単球数350未満をvery low risk群(n=39)とすると,very high risk群はRFSにおいて有意に予後不良であり(p=0.0023)だった.
②223例中,88例(39.5%)に術後再発を認めた.再発様式の内訳は術野内再発31例,遠隔再発44例,術野内および遠隔再発の同時13例だった.再発症例の無再発生存期間は中央値226日,再発後生存期間は中央値330日だった.再発後治療では,放射線治療介入群34例,化学療法のみ36例,BSC10例だった.8症例で根治切除目的に手術が施行されていた.手術症例は肺切除3例,リンパ節摘出6例,腎摘出1例だった.治療別の再発後生存期間中央値は手術介入群1273日,化学療法単独群346.5日,放射線介入群445日,BSC48日だった.
【結語】術前末梢リンパ球数および単球数は食道扁平上皮癌における予後予測因子として有用であることが示唆された.手術により根治が期待できる再発症例では予後良好であり,積極的な手術介入が重要と考えられた.
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