演題

O2-77-12-6

肝移植における血行再建手術手技の消化器外科手術への応用

[演者] 林田 信太郎:1
[著者] 三浦 宏平:1, 大矢 雄希:1, 山本 栄和:1, 菅原 寧彦:1, 近本 亮:2, 馬場 秀夫:2
1:熊本大学附属病院 移植外科, 2:熊本大学附属病院 消化器外科

腹部手術における血行再建手術手技は肝移植の発展と共に進歩し,消化器外科手術への応用も行われている.我々の施設では累積500例の肝移植手術を実践している.肝移植以外の消化器外科領域での血管再建は血管切除により根治的な切除が可能な場合とアクシデンタルな損傷への対処が挙げられる.我々の動脈,門脈再建の基本的方針は以下の通りである.

1.動脈再建
移植手術の動脈再建は全例顕微鏡下吻合を使用し,後壁,前壁端の吻合から左右壁の縫合を行っている.500例の肝移植手術では,主に3名の外科医が吻合してきたが,肝動脈閉塞(HAT)発症率は2.2%と極めて低い数字を維持している.消化器外科手術においても移植手術時の動脈再建と同じ手技によって再建を行っており,術後は全例良好な血流を得ている.
2.門脈再建
門脈再建を必要とする膵頭部癌では,切除範囲が短く1孔同士で端々吻合が可能な場合は移植手術に携わっていない外科医でも比較的容易に可能である.腸菅側門脈が2孔になる場合には1孔への形成を行っている.また切除範囲が長い場合,脾静脈の切離と肝の授動によりある程度寄せることが可能だが,血管グラフトを必要とする場合には左腎静脈や外腸骨静脈を血管グラフトとし採取している.

これら血行再建の習得にはある程度集中的な移植手術の経験が必要と考えており,現在SNUC-LT Program (Six National University Consortium in Liver Transplant Professionals Training Program) として施設横断的に肝臓移植を担う高度医療人の養成を行っている.特に外科医コースでは自施設以外の手術にも実践として臨床経験を積むことができ,それぞれの施設の工夫を学習し,習得することが可能となっている.
今回,血管再建を行った消化器外科手術についてビデオを用いて供覧するとともに,SNUC-LT Programの活動について報告する.
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