演題

O2-77-12-2

生体肝移植における血行再建・胆道再建の工夫

[演者] 和田 浩志:1
[著者] 江口 英利:1, 野田 剛広:1, 岩上 佳史:1, 山田 大作:1, 浅岡 忠史:1, 後藤 邦仁:1, 梅下 浩司:2, 土岐 祐一郎:1, 森 正樹:1
1:大阪大学大学院医学系研究科 消化器外科学, 2:大阪大学大学院医学系研究科 周手術期管理学

【はじめに】肝移植における血行再建・胆道再建は,手術成績に直結する重要な手技であり,特に部分肝を用いる生体肝移植では,高度な技術を必要とする.教室では,胆道合併症を起こさない再建法としてOpen-up techniqueによる胆道再建,胆嚢管を利用した胆道再建や,門脈血栓閉塞症例に対する左腎静脈門脈吻合(Renoportal anastomosis)といった手術手技を工夫することで,生体肝移植成績の向上に取り組んできた.これらの手技を供覧するとともに治療成績について報告する.
【対象と方法】1999年から2016年11月までに成人間生体肝移植術を施行した147例中,再肝移植3例を除く144例を対象とした.2002年以降にOpen-up techniqueを用いて胆管胆管吻合を施行した119例(うち4例で胆管-胆嚢管吻合)について検討した.また,術前に門脈血栓閉塞や狭窄を認めた23例中,巨大な脾腎シャントを伴っていたため左腎静脈門脈吻合による生体肝移植を施行した8例について検討した.
【結果】胆管胆管吻合を施行した119例中,胆管吻合部狭窄を12例(10.1%)に肝内胆管狭窄を1例(0.8%)に認めたが,縫合不全は認めなかった(0%).胆嚢管-胆管吻合を施行した4例では,術中に総胆管前面より挿入した胆管チューブを術後6ヶ月目まで留置した.4例とも吻合部狭窄を認めず,肝機能も良好であった.次に,左腎静脈門脈吻合による生体肝移植を施行した8例は,右葉グラフトが7例で,左葉グラフトは1例のみであった.門脈再建の間置血管グラフトとしては,全例で左内頸静脈を使用した.術後合併症として,門脈血栓症や門脈吻合部狭窄は認めなかった.8例中5例で一時的な血液透析が必要であったが,いずれも周術期のみであり,維持透析に移行した症例はなかった.
【結語】肝移植における血行再建・胆道再建の手技を工夫することで,合併症発生の予防や移植困難症例の克服に取り組んでいる.
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