演題

O2-70-9-5

腹腔側から括約筋間授動を行う腹腔鏡下ISRの手技の詳細

[演者] 山口 茂樹:1
[著者] 石井 利昌:1, 田代 浄:1, 近藤 宏佳:1, 原 聖佳:1, 鈴木 麻未:1, 清水 浩紀:1, 竹本 健一:1, 桜本 信一:1, 小山 勇:1
1:埼玉医科大学国際医療センター 消化器外科

【目的】ISRにおける腹腔側からのアプローチの詳細な手順について明確なものはない.今回肛門管近傍の解剖学的考察とともに手術手順を提示する.
【解剖】肛門挙筋筋膜を温存しつつ直腸間膜を固有筋膜の層で剥離授動すると,肛門直腸輪で挙筋筋膜は固有筋膜に付着する.この部分で必要に応じて筋膜を切開し側方から内外括約筋間に至る.後方の靭帯様組織は肛門尾骨靱帯の一部とされ,解剖学的には3つの層,すなわち①仙骨前筋膜,②肛門挙筋群の腱様組織,③尾骨と外括約筋の結合組織から形成される.ISRではこのうちの①②を切離する必要がある.
【手術手技】肛門直腸輪の左右から内外括約筋間を剥離すると背側正中にバンド状構造が残る.これは結合組織,平滑筋,血管から成るが,その外側縁は肛門挙筋の恥骨尾骨筋および腸骨尾骨筋辺縁の腱様結合織から成る.この結合織を左右で切開すると恥骨尾骨筋も左右に分離し正中に恥骨直腸筋の筋腹が現れる.恥骨直腸筋は直腸および内括約筋と明瞭な境界があり剥離は比較的容易となる.癌取扱い規約では肛門管上縁を恥骨直腸筋としているが,直腸膨大部の始まりは肛門挙筋のうち恥骨尾骨筋上縁といえる.
一方,前側方では挙筋筋膜と直腸の癒着とともに骨盤神経叢からの分枝も密に入るため,その周囲を可及的に授動してからこの神経が直腸に入る部分で切離する.これらの操作を腹腔内から行うことにより,会陰操作では後壁,側壁で比較的容易に連結が可能となり,最後に前壁正中の直腸尿道筋を切離して授動が完了する.
以上の手技をビデオで供覧する.

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