演題

O2-70-9-1

回転型開肛器を用いたISRにおける肛門管展開と括約筋間剥離手技

[演者] 小山 文一:1,2
[著者] 植田 剛:2, 井上 隆:1,2, 中本 貴透:2, 尾原 伸作:2, 佐々木 義之:2, 中村 保幸:2, 庄 雅之:2
1:奈良県立医科大学附属病院 中央内視鏡部, 2:奈良県立医科大学医学部 消化器外科・小児外科・乳腺外科学

日本人の外科的肛門管長は3~5cm,肛門縁から歯状線までの距離は約1.5~2cmとされている.腹腔鏡下アプローチでTMEを完成させ,肛門側切離線を括約筋間溝から歯状線の間とするIntersphincteric resection(ISR)では,括約筋間剥離距離は2~4cmとなる.この2~4cm間の操作は,腫瘍に対するDistal marginとRadial marginを確保し,肛門管構造物を可及的に温存するISRの最重要局面である.我々は,弁長5cmの開肛弁が腕に対して自由に回転できる稲次式回転型開肛器を用いて,経肛門アプローチによる括約筋間剥離を行っているので,その手術手技を供覧する.
ローンスターリトラクターで肛門縁を開き,稲次式開肛器で肛門管を展開する.開肛弁と腕を,任意の角度で固定でき,安定視野と適度の緊張が確保される.このシステムでは,腫瘍下縁・歯状線・括約筋間溝というISRに重要なLandmarkを一望でき,粘膜切開から括約筋間への侵入操作が容易となる.Distal marginを直視下に確認して粘膜切開し,内括約筋を粘膜下に白い帯状の構造物として認識する.内括約筋を横切し,縦走筋線維を切除側に付けて,括約筋間に侵入する.外括約筋は通電にて収縮する横紋筋壁として認識できる.後壁・前壁・側壁の順に剥離する.前後壁,左右側壁では,開肛器を掛け替えることなく腕のみ回転させて視野展開できる.全周剥離を終えると断端を閉鎖し,剥離を深部に進める.腹腔鏡側との共同操作で,両側の剥離層を確認しつつ腹腔内と交通させ,標本を摘出する.

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