演題

O2-74-11-6

腹腔鏡下胃全摘術における脾周囲郭清と再建の定型化への取り組み

[演者] 大平 寛典:1
[著者] 岩瀬 亮太:1, 鈴木 範彦:1, 今北 智則:1, 筒井 信浩:1, 吉田 昌:1, 北島 政樹:1, 鈴木 裕:1
1:国際医療福祉大学病院 外科

【緒言】
上部胃癌に対する手術手技は脾門部周囲郭清,胃全摘後吻合再建が重要になる.当院で行ってきた手技と展望を発表する.
【脾門部周囲郭清】
方針は1:早期癌は脾門部郭清を省略,2:小彎側に限局した進行癌は脾温存しNo.10は脾動脈前面を可及的に郭清,3:大彎に病変が存在する場合には脾摘付加.
脾温存郭清:脾動脈本幹から早期分枝する脾上極枝と短胃動脈に近い脾への枝は温存する.左胃大網動脈根部を切離.ここから動脈周囲神経を温存する層を探り短胃動脈根部と脾動脈遠位部を交互に露出.短胃動脈を根部で切離しつつ脾上極に向かう.胃が術野の妨げになるのでNo.11p郭清と食道切離の後に再度戻ると先の脾門部が良好に開ける.これで安全に短胃動脈の最頭側枝の処理が可能になる.早期癌症例はNo.10,11d郭清を省略し脾臓への枝を損傷しないレベルで左胃大網動静脈~短胃動静脈を切離する.
脾摘郭清:膵下縁からfusion fasciaの層に入り尾側から頭側,内側から外側に向けて膵体尾脾を授動.これに腹部食道切離を加えると胃の腹側または尾側への交互の展開が容易になり膵尾脾門が展開する.脾動静脈を末梢に追い膵尾動脈は極力温存する.膵尾にて脾動脈本幹を辿り確認できればその末梢で静脈含め一括切離できる.確認が容易でない場合は膵尾レベルで血管を1本ずつ切離していく.
【吻合再建】自動縫合器を用いた機能的端々吻合またはoverlap法を選択.郭清の過程で食道を切離.食道断端に縫合器挿入孔を作成後,食道との軸の合うポートから45㎜の縫合器を操作しフォークを挿入しfire.overlap法では3-0吸収糸による10針前後の結節または連続縫合で,機能的端々吻合ではstay sutureを置いた後縫合器にて共通孔閉鎖.
【結果】脾摘例22例中3例に長期ドレナージを要する膵液漏を認めた.進行癌での脾温存例41例には膵液漏出は見られず.両者とも同部の郭清不足による局所再発はない.吻合再建については123例中FETEAに1例,overlap法で胸腔内吻合に1例縫合不全を認めた.
【結論】
進行癌に対する脾門部予防的郭清については脾臓温存が標準になると思われる.先のJCOG0110鑑みると以後はこれらを認識できる程度の剥離で十分ではと考える.吻合は自動縫合器を用いた方法が安全で汎用性が高いと考える.
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