演題

O2-74-11-5

胃上部癌に対する腹腔鏡下胃切除標準化のための汎用定型化

[演者] 佐藤 誠二:1
[著者] 金城 洋介:1, 岡田 和幸:1, 小原 和弘:1, 石塚 純平:1, 福垣 篤:1, 尾地 伸悟:1, 岩本 哲好:1, 松下 貴和:1, 和田 康雄:1
1:姫路医療センター 外科

胃上部癌(UGC)に対する腹腔鏡下胃切除(LG)の標準化には,腫瘍の局在と進行度を考慮し多様な郭清と再建の定型化が肝要.我々は,UGCに対するLGの定型化のため郭清・再建の基本パターンにステップワイズに手技を追加し,多彩な胃上部癌に対応できる汎用定型化を行っているのでビデオを供覧.【郭清手技】胃癌の脾摘は予後改善の明確なエビデンスはなく,JCOG0110で脾摘により合併症率が高まることが報告された.従って,我々の郭清の汎用定型化は3パターン.1)基本パターンは早期のUGCのD1+.2)進行UGCの基本郭清はD2-10.D2-10ではD1+に加えて膵体部上縁をGerota筋膜沿いに授動し,脾動脈から脾上極枝の剥離可能層(IDL)に沿って11dと脾門前面一部を郭清する.3)胃大彎の高度進行例(T3/4 and/or #10陽性)には腹腔鏡下脾摘(D2+S).D2+SではD2-10に加えて膵脾を授動し,膵背側で脾静脈と膵尾部を明瞭化して膵尾部の損傷を防止.膵上縁を膵尾部に向かい脾臓への動脈を切離しつつ脾摘により11d/10を郭清.尾膵動脈は可及的に温存.【再建手技】リニアステープラーによる機能的端端吻合(FEEA)を基本パターンとし,腫瘍の食道進展の程度によりリニアステープラーによるOverlap,Overlapと共通手技の多いNo-knife胃管再建へとステップワイズに汎用定型化.【結果】当施設で行った521例の腹腔鏡下胃切除の短期成績は,手術時間:4時間42分 出血量:69ml 合併症;3.9%.脾門郭清は30例に対して行っているが,膵関連合併症は認めていない.当院が電子カルテ化された2010年からの腹腔鏡下手術の根治切除301例の3年生存率は,StageⅠA; 94% (n=167), StageⅠB; 95% (n=30), StageⅡA; 93% (n=26), StageⅡB; 85% (n=28), StageⅢA; 74% (n=22), StageⅢB; 73% (n=14), StageⅢC; 49% (n=11), StageⅣ; 33% (n=4) , LDG; 87% (n=216), LTG; 92% (n=85) 前期(~2014, D1+;82/D2-10;25/D2+S; 15), 後期(2014~, D1+;17/D2-10; 15/D2+S; 3). 手術成績 前期vs 後期; Op time(min); 375/440/450vs314/385/382, blood loss (ml); 78/161/215vs10/10/30, LN number; 36/49/50vs38/52/51,合併症(%)18/17/25vs5.9/0/30,膵液瘻(%)1.6/1.9/0vs0/0/0. 最近2年間では40例中 31例でFEEA,4例にOverlap,5例にNo-knife胃管再建を行い,吻合関連合併症を認めていない.【結語】UGCに対するLGの標準化では多様な状況に対応できる柔軟性のある郭清,再建法の定型化が必要と考えられる.
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