演題

O2-74-11-2

逆流防止弁形成食道残胃吻合を用いた腹腔鏡補助下噴門側胃切除術の治療成績

[演者] 武者 宏昭:1
[著者] 井本 博文:1, 青木 豪:1, 工藤 克昌:1, 田中 直樹:1, 元井 冬彦:1, 内藤 剛:1, 海野 倫明:1
1:東北大学大学院 消化器外科学

[背景] 噴門側胃切除術の再建は種々行われているが,標準再建は定まっていない.当院では2002年6月から2016年9月までに胃癌に対し,逆流防止弁形成食道残胃吻合を用い,腹腔鏡補助下噴門側胃切除術を108例施行した.手術成績・術後合併症・遠隔成績を検討し報告する.
[適応]cT1,cN0.EGD,EUS,US,CTを施行し評価.残胃が2/3以上残る症例.
[対象]男性87,女性21例.平均年齢は68.4歳,平均BMIは23.2kg/m2.
[方法]残胃の大弯側を2.5cm巾着縫合にて埋没し逆流防止弁を形成.幽門形成部より自動吻合器を挿入し,弁の触れる位置で胃の前壁と吻合.
[成績]平均手術時間(併施手術なし)242.7分,出血量75.5g.肥満症例(BMI≧25)では, 261.4分,78.9g.脾臓出血の1例(0.9%)で開腹移行あり.C-D分類gradeII以上の術後合併症は12例(11.1%)(縫合不全5,肺炎 2,その他5例).縫合不全の症例は,高齢・肥満・ASA-PS不良患者であった.ステージは, fstageIA:78,IB:11,IIA:10,IIB:6,IIIA:3例であった.術後観察期間中央値30.3Mでbaloon拡張を要する吻合部狭窄を7例(6.5%)認めたが,吻合時の緊張および血流に注意することで直近3年間では1例(3.8%)と改善傾向を認めた.術後の体重減少率(1M・3M・6M・12M・24M)は,8.1%,11.0%,11.2%,11.6%,11.4%であった.術後愁訴は,つかえ感11,胸やけ10(1例を除いて軽度),下痢5でいずれも軽度であった.1例の高度の逆流性食道炎は小胃症状と考えられた(早期は残胃を1/2以上としていたため).5年全生存率は91.5%(肝転移1(fstageIIIA:術後29M),他病死5例)で,癌特異的5年生存率は98.2%であった.
[結語]本法は手技も簡便かつ使用器械も保険適応内である.術後早期の体重減少には改善の余地はある.術後狭窄も吻合部の緊張に注意することで予防可能であり,術後合併症も認容可能である.
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