演題

O2-74-11-1

腹腔鏡下胃全摘術における機能的端々吻合による食道空腸吻合の妥当性

[演者] 小濱 和貴:1
[著者] 角田 茂:1, 久森 重夫:1, 稲本 将:1, 西村 公男:1, 河田 健二:1, 肥田 侯矢:1, 橋本 恭一:1, 吉冨 摩美:1, 坂井 義治:1
1:京都大学大学院 消化管外科学

【背景】胃上部癌に対する腹腔鏡下胃全摘術(LTG)は徐々に普及しつつあるものの,体腔内食道空腸吻合の難易度が高いため,いまだ手技の標準化について議論の余地があるのが現状である.【目的】当院ではLTGにおいて,リニアステープラー(LS)を用いた機能的端々吻合(FEEA)による食道空腸吻合(EJ)を2006年9月より採用している.この研究ではその安全性・妥当性を検討した.【症例・方法】2006年9月から2016年11月までの期間,当科において上記方法によるEJを施行したLTG170例を対象とした.術中トラブルや術後合併症をretrospectiveに検討した.【吻合法】Y脚吻合を施行したのち,Roux-en Y limbを結腸前経路で挙上する.Roux-en Y limbの先端の腸間膜対側と腹部食道断端左側に小孔をあける.空腸,食道の順に断端の小孔からLS(45mm)を挿入し,吻合孔を作製する.共通孔を縫合結紮にて仮閉鎖したのち腹側に挙上,組織とLSの軸を合わせて60mm1発もしくは45mm2発で閉鎖する.【結果】術中吻合トラブルは170例中3例(1.8%)で認められた.LSによる経鼻胃管の噛み込み,挙上空腸のLSによる穿孔,食道粘膜下へのLSアンビルフォークの迷入が1例ずつであった.EJに関する短期術後合併症は5例(2.9%)に認められ,いずれも縫合不全であった(C-D分類Grade 3:1例,Grade 2:4例).吻合部狭窄や吻合部出血は認められなかった.手術関連死亡はなかった.【考察・結論】LSを用いたFEEAによるEJは,安全に施行可能と考えられた.食道粘膜下へのLSの迷入の防止については,経鼻胃管をガイドにして,LSが経鼻胃管の先端を"またぐ"ようにして挿入することを徹底し,その後食道粘膜下への誤挿入は発生していない.発表では,吻合操作で我々が注意しているポイントをビデオでも供覧する.
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