演題

O2-56-6-5

包括的栄養療法のClostridium difficile関連腸炎の抑制効果について

[演者] 佐藤 武揚:1
[著者] 久志本 成樹:1
1:東北大学病院 高度救命救急センター

【緒言】Clostridium difficile関連下痢症(以下CDAD)は重症患者において重大な院内感染症である.重症病態では適切な栄養管理が必要であるが,それがCDADの予防に有効であるとは証明されていない.
【目的】包括的栄養療法によるCDAD防止効果を評価すること.
【対象と方法】2008年から12年までに当施設に72時間以上重症病棟に在室した成人症例を対象とした.2429症例のうち19例がCDADと診断された.CDADの診断は日に3回以上の水様下痢とCDトキシンテスト陽性で診断した.
2010より包括的栄養療法を開始した.包括的栄養療法は1.早期経腸栄養,2.入室7日間のPermissivie underfeeding管理,3.目標熱量は体重×30kcal/day,4.Synbiotics予防投与,5.絶食回避,6.広域抗菌薬使用是正,7.制酸剤使用の是正,8.下痢の早期認識と止瀉薬に頼らない管理,を軸とした.入院時期を2008-9年と2010-12年に二分し栄養療法開始前後の比較を行った.
目的変数をCDADの発生とし,ICU入室理由(外科疾患かどうか),患者重症度と入院時期(2008-9 vs. 2010-12)を説明変数に多重ロジスティック回帰分析を行った.結果は中央値(四分位)で示した.
【結果】2429例の年齢は61(41-75)歳で,1098例が外科的疾患による入室であった.APACHE-II scoreは10 (10-22)点,SOFA scoreは4 (1-7)点であった.重症病棟在室期間は7 (4-13)日,在院日数は10 (5-22)日で病院脂肪率は9.4%であった.多変量解析により入院時期2010年以降,が独立因子として抽出された(p<0.0001, OR=0.059, 95%CI: 0.009-0.208).
【結語】包括的栄養療法はCDAD予防に寄与した可能性がある.
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