演題

O2-56-6-1

食道癌術後患者に対する早期在宅経腸栄養の検討

[演者] 武田 茂:1
[著者] 兼清 信介:1, 飯田 通久:1, 北原 正博:1, 坂本 和彦:1, 鈴木 伸明:1, 吉野 茂文:2, 硲 彰一:1,3, 上野 富雄:1, 永野 浩昭:1
1:山口大学大学院消化器・腫瘍外科学, 2:山口大学医学部附属病院腫瘍センター, 3:山口大学医学部先端がん治療開発学

【目的】食道癌手術では術後の栄養状態の評価は臨床的指標として重要で,術後の低栄養状態は長期的な予後にも影響を与えると考えられる.われわれは周術期栄養管理に経腸栄養を用いた早期経腸栄養を行ってきたが,退院後にも経腸栄養による栄養介入を継続することで,栄養状態の改善が見込めるかどうか検討した.
【方法】食道癌術後21名に対して,経腸栄養チューブを用いて退院後早期に在宅経腸栄養(HEN)を行った.経口の食事に加えて経腸栄養を300kcal/日の注入を術後90日までを目安に継続した.術後30日と90日においてそれぞれAlb値,総リンパ球数,コレステロールを測定し,PNIとCONUT scoreを算出して栄養状態の評価を行った.CONUT scoreは2以上を栄養障害ありとした.また体液成分分析装置を用いて,骨格筋量(SMM),体脂肪量(BFM),細胞外/体水分量比(ECW/TBW)の推移も検討した.
【結果】Alb値の術後30日から術後90日の推移は,介入群(HEN)では上昇認めたが(p<0.01)従来群(no HEN)は変化がなかった(HEN vs no HEN: 3.33 / 3.86 vs 3.66 / 3.68).総リンパ球数もHEN群において上昇傾向であった(p<0.01)(HEN vs no HEN: 1302 / 1632 vs 1345 / 1427).PNIもHEN群で有意な上昇認めたが(p<0.01),従来群は変化がなかった(HEN vs no HEN: 39.5 / 46.3 vs 43.3 / 44.0).CONUT scoreによる術後90日の栄養状態の評価はHEN群ではnon HENと比較して栄養障害の頻度が低かった(HEN vs no HEN :栄養障害あり/なし 6/15 vs 11/6).また,体液成分分析の検討では 体重,SMM,BFMのいずれもが術後30日から90日の間で有意に低下し,ECW/TBWの上昇も認めなかった.
【結語】術後短期間の在宅経腸栄養による栄養介入の効果として,体重や骨格筋量などの回復には影響を与えなかったが,Albなどの栄養学的指標の改善に有用で,栄養障害の頻度の減少に寄与すると思われた.
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