演題

O2-54-6-5

直腸癌待機的前方切除症例におけるERAS導入の効果

[演者] 巷野 佳彦:1
[著者] 堀江 久永:1, 直井 大志:1, 井上 賢之:1, 森本 光昭:1, 鯉沼 広治:1, 細谷 好則:1, Alan Lefor:1, 北山 丈二:1, 佐田 尚宏:1
1:自治医科大学附属病院 消化器外科

【目的】当科では直腸癌待機手術症例に対しては主として開腹手術を行い,経口摂取は術後3日目飲水,5日目に流動食を開始していた.一方結腸癌待機手術症例にはERASを導入し合併症の増加なく安全に術後在院期間が短縮されたことから,直腸癌待機手術症例に対しても2013年からERASを導入した.その主な内容は①化学的腸準備の廃止②腹腔鏡手術③手術室での胃管抜去④早期経口摂取(術後1日目飲水,2日目流動食,3日目普通食(低残渣))である.今回ERAS効果を検討するためERAS導入以前(非ERAS群)と以後に待機的手術が施行された直腸癌症例(ERAS群)の術後成績を後方視的に比較した.【方法】2011年1月から2015年12月までに待機手術が施行された直腸癌前方切除症例113例(非ERAS群44例,ERAS群69例)の周術期合併症,術後在院日数を比較した.予防的ストマ造設症例は除外した.
【結果】非ERAS群とERAS群の患者背景は,性別,腫瘍の位置,進行度で有意差を認めなかった.年齢はそれぞれ66±11, 61±11歳 (p<0.05)で有意にERAS群が若く,術後在院日数はそれぞれ13±4, 11±4日 (p<0.05)で有意にERAS群が短かった.非ERAS群とERAS群の術後合併症の発生率はそれぞれ,縫合不全(2%, 3%),SSI(2%, 0%),リンパ漏(2%, 4%),術後腸管麻痺(9%, 4%),術後出血(0%, 1%)で両群間に有意差を認めなかったが,尿閉はERAS群で有意に少なかった(16%, 0%, p<0.05).
【考察】直腸癌待機手術症例に対してもERASは合併症を増加させることなく安全に導入可能であり,ERASの導入により術後在院期間の短縮が可能である.
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