演題

O3-125-9-3

DPでのプレクランプ併用リンフォーストライステープルによる膵液瘻予防対策-膵被膜損傷が膵液瘻の原因?-

[演者] 鈴村 和大:1
[著者] 波多野 悦朗:1, 岡田 敏弘:1, 麻野 泰包:1, 宇山 直樹:1, 中村 育夫:1, 近藤 祐一:1, 裴 正寛:1, 末岡 英明:1, 藤元 治朗:1
1:兵庫医科大学病院 肝・胆・膵外科

【背景・目的】尾側膵切除術の断端処理方法は,未だ議論がある.当科での尾側膵切除時の断端処理方法を比較検討し,その治療成績を検討するとともに,膵液瘻の原因,及びその予防対策を示す.
【対象・目的】2009年7月から2016年12月までの当科で施行した尾側膵切除術95例のうち開腹手術の膵断端処理法としてcrush and tie法(小ケリーにて膵実質を圧挫し,露出した脈管を結紮)を用いた群(C群:27例)と,自動縫合器であるリンフォーストライステープルを用いた群(R群:20例)で,膵液瘻の発生頻度を比較検討.
【結果】両群間で切離部平均膵実質厚(C群 9.9mm,R群 9.5mm),膵硬度(C群 soft 74%,R群 soft 82%)に有意差は認めなかった.GradeB/C膵液瘻の発生頻度に関しては,R群がC群に比べ有意に膵液瘻発生頻度の減少を認めた(C群37%,R群 11%, p<0.05).自動縫合器を用いる場合,膵実質被膜が損傷することがある.切除膵の膵管造影では,膵断端からの造影剤の漏出はないが膵被膜から漏出を認めた(図1 矢印).このことから膵液瘻発生原因として,被膜損傷の可能性が考えられた.よって被膜損傷の無い膵切離が,膵液瘻予防のカギと推測され,当科では尾側膵切除前にプレクランプを十分に行うことで,被膜損傷の無い膵切離を心がけている.
【まとめ】リンフォーストライステープルを用いた膵断端処理は,術後膵液瘻の発生頻度を減少させた.また膵切離前にプレクランプを十分行い膵被膜損傷を防ぐことが,術後膵液瘻の予防に寄与する可能性がある.

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