演題

O3-124-9-3

Pair-watch suturing techniqueを用いて標準化した膵管空腸粘膜吻合における膵液瘻の危険因子

[演者] 飯澤 祐介:1
[著者] 加藤 宏之:1, 村田 泰洋:1, 安積 良紀:1, 栗山 直久:1, 岸和田 昌之:1, 水野 修吾:1, 臼井 正信:1, 櫻井 洋至:1, 伊佐地 秀司:1
1:三重大学附属病院 肝胆膵外科

【目的】当科では術後膵液瘻 (POPF)を防止するために,2007年4月より膵臓十二指腸切除術後の膵管空腸粘膜吻合を12針の結節縫合で行うpair-watch suturing technique (PWST)を導入し,膵管径に関わらず標準化している.本研究の目的は,この標準化した術式におけるPOPFの危険因子を明らかにすることである.
【対象と方法】2007年4月から2016年10月にPWSTを行った318例を対象とした.POPFの発生頻度を調査し,POPF grade ABC,BCの危険因子を単変量・多変量解析で評価した.
【結果】POPFの発生頻度は, grade A 6.9% (n=22), B 7.2% (n=23), C 1.9% (n=6) (grade ABC 16.0%, BC 9.1%)であった.POPF grade ABCについてみてみると,単変量解析では,BMI,疾患,術前血清アルブミン,術前化学放射線療法,腹腔鏡手術,膵性状が有意な危険因子であった.多変量解析では,soft pancreas (OR 3.621, 95%CI 1.797-7.294, P<0.001),BMI (OR 1.163, 95%CI 1.054-1.284, P=0.003),腹腔鏡手術 (OR 6.144, 95%CI 1.738-21.716, P=0.040),手術時間 (OR 0.997, 95%CI 0.995-1.000, P=0.040),年齢 (OR 1.035, 95%CI 1.001-1.071, P=0.042)が,POPF grade ABCの有意な危険因子であった.POPF grade BCについてみてみると,単変量解析では性別,BMI,疾患,術前血清アルブミン,術前化学放射線療法,膵性状が有意な危険因子であった.多変量解析では,soft pancreas (OR 6.762, 95%CI 2.571-17.79, P<0.001),年齢 (OR 1.058, 95%CI 1.012-1.107, P=0.013),BMI (OR 1.153, 95%CI 1.027-1.295, P=0.016) が,POPF grade BCの有意な危険因子であった.
【結論】PWSTを用いた膵管空腸吻合は,POPFの発生頻度が比較的低率で有用な吻合法と考えられた.POPFの発生頻度は膵管ステントの留置の有無で変わらなかった.POPF grade ABCとBCのいずれにおいても,soft pancreasが最も有意な危険因子であった.
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