演題

O3-109-6-4

BCLC intermediate / advanced stage 肝癌に対する外科的治療の検討

[演者] 原 康之:1
[著者] 清水 健司:1, 宮澤 恒持:1, 中西 渉:1, 戸子台 和哲:1, 中西 史:1, 宮城 重人:1, 亀井 尚:1
1:東北大学大学院 先進外科学

【目的】BCLC staging systemでは,intermediate stage (B) はTACEが, advanced stage (C) はソラフェニブが標準治療とされており,stageB以降に対して外科的治療は推奨されていない.一方,本邦ではBCLC-B/C症例に対しても切除が試みられている.当科でも厳密に適応を検討し,BCLC-B/C症例に対しても可能な限り切除を行っている.今回,我々はBCLC-B/C症例に対する外科的治療の成績を検討した.【方法】対象は,当科で2003年3月から2015年11月までの間に肝細胞癌に対して初回肝切除を施行した222例.そのうちのBCLC-B/C 48例(BCLC-B:29例, BCLC-C:19例)について臨床病理学的因子及び長期予後に関して検討した.【結果】BCLC-B/C症例の背景は,男性45例(93.8%),年齢中央値66歳,HBV 14例・HCV 20例・HBV+HCV 1例・NBNC 13例,ICG-R15中央値14.8,Child-Pugh A/B 46/2例であった.BCLC-0/A症例と比較してBCLC-B/C症例は,男性が有意に多く術前のDCPが有意に高値(441 vs 42 mAU/ml, p=0.0002)であったが,術前肝予備能に関しては大きな差は認めなかった.手術に関してBCLC-B/C症例で解剖学的切除が有意に多く,手術時間が長く,出血量も多かった.病理学的因子では分化度に差はなかったが,脈管浸潤が32例(69.57%)と有意に多く認めた(p=0.0002).全症例の1年・3年・5年生存率は91.6%・79.7%・71.9%,1年・3年・5年DFSは69.6%・54.9%・34.8%.BCLC-B/C症例の1年・3年・5年生存率は83.2%・67.8%・59.0%と良好であったが,1年・3年・5年DFSは54.6%・34.8%・10.1%であり長期の再発は高率に認められた.BCLC-B/C症例において,術前DCP値(≧400mAU/ml)と腫瘍径(≧10㎝)が独立した予後不良因子であった.【考察】BCLC-B/C症例に対する外科的治療の成績は比較的良好であり,肝切除は有効な治療法であると考えられる.一方,術前DCP高値及び腫瘍径が大きい症例は予後不良であり,これらに対しては肝臓内科医・放射線科医との密な連携による集学的治療を積極的に検討する必要があると考える.【結語】BCLC-B/C症例に対する肝切除の成績は良好であり有効な治療法である.
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