演題

O3-111-6-6

生体肝移植術前の抗ドナー抗体(DSA)測定の必要性

[演者] 河地 茂行:1
[著者] 千葉 斉一:1, 大島 剛:1, 岩本 整:1, 中村 有紀:1, 今野 理:1, 木原 優:1, 横山 卓剛:1, 富田 晃一:1, 佐野 達:1
1:東京医科大学八王子医療センター 消化器外科・移植外科

(背景)術前CDCリンパ球クロスマッチ検査(CDCX)が陰性にも関わらず,生体肝移植早期に激烈な液性拒絶反応を発症し失った症例を経験した.
(目的)術前CDCXとDSA検出との整合性を当科で施行した肝・腎移植80症例で検討した.
(方法)術前CDCXとともに,HLA抗体スクリーニング検査(PRA)を施行してDSAの有無を検討した.PRA陽性例には抗HLA抗体シングル抗原同定検査を施行してDSAか否かを確定した(すべて外注).CDCXとDSAとの整合性および移植後臨床経過について併せて検討した.
(結果)生体腎移植症例75例,生体肝移植症例5例について検討した.術前CDCX陽性(TW陽性)を腎移植の3例に認めたが,すべてPRA陰性で,追加施行したフローサイトクロスマッチでも陰性となった.通常の移植が行なわれ術後問題なく経過した.一方,ClassⅠのDSA陽性症例を2例,ClassⅡのDSA陽性症例を1例,腎移植症例の中に認めた.ClassⅠ陽性の一例でCDCX:BW陽性であったが,他の2例のCDCXは全て陰性であった.ClassⅠ陽性の1例はABO血液型不適合のために前処置+,もう1例は前処置なく移植を行い問題無く経過した.ClassⅡ陽性の1例はABO血液型不適合に準じた前処置を行い急性期は問題無く経過したが,慢性期に抗体関連拒絶反応を発症した.
(結語)CDCXではDSAを検出できず,抗体関連拒絶反応を予測できなかった.肝移植でも移植前のDSA検出検査の必要性が示唆された.
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