演題

O1-32-13-4

潰瘍性大腸炎に対する腹腔鏡下手術のアプローチ法の変遷と新たな術式の応用の可能性について

[演者] 岡林 剛史:1
[著者] 長谷川 博俊:1, 鶴田 雅士:1, 石田 隆:1, 池端 昭慶:1, 北川 雄光:1
1:慶應義塾大学医学部 一般・消化器外科

【背景】潰瘍性大腸炎に対する大腸全摘術・回腸嚢肛門(管)吻合術の手術操作には様々な工程があり,その術式は定型化されていないのが現状である.当院では1994年から潰瘍性大腸炎に対する腹腔鏡下手術を開始し,現在までに154例に大腸全摘術を行っており,われわれのアプローチ法の変遷と新たな術式の応用の可能性について報告する.
【方法】1994年から2016年までに当院で潰瘍性大腸炎に対して腹腔鏡下に大腸全摘術を施行したXXX例を対象とし,診療録から得た情報を後方視的に検討した.
【結果】主に変遷が認められたのはアプローチ法,手術手順,直腸切離であった.アプローチ法は,通常の腹腔鏡下手術から,手術時間の短縮を目指して用手補助下手術へ,その後更なる整容性の向上を目指して再度通常の腹腔鏡下手術へと変遷していた.さらに近年では,Trans-Anal Total Mesorectal Excision (TaTME)やreduced port surgery (RPS)を応用し,手術時間の短縮と整容性の向上を目指した手術を行っている.手術手順は,右側結腸・左側結腸・横行結腸・直腸の順で行っていた.シーリングデバイスを用いたクリップレス手術を導入して以来,横行結腸を尾側に牽引し,横行結腸間膜前葉と後葉を挟むようにシーリングデバイスを用いて横行結腸間膜の切離を行い,煩雑な横行結腸間膜の切離を容易に行うことができるようになった.われわれは回腸嚢肛門管吻合を基本術式としているが,直腸切離の際の切断法も様々に変遷していた.当初はリニアステイプラーを用いて鏡視下の切離行っていたが,用手補助下手術の小開腹創からTAによる直視下の切離へと変更し,最近では反転法を用いた切離と経肛門的切離を性別により使い分けている.一方で,回腸嚢作成法については大きな改良はなく,今後の課題と考えられた.
【結語】術式の変遷には手術手順の見直しやデバイスの進歩が大きく寄与していた.TaTMEやRPSなどの術式を応用することにより,より整容性に配慮した手術が可能になると考えられた.
詳細検索