演題

O1-32-13-3

潰瘍性大腸炎に対する手術手技の工夫

[演者] 河原 秀次郎:1
[著者] 毛利 貴:1, 北條 誠至:1, 石田 航太:1, 三澤 健之:1, 秋葉 直志:1, 矢永 勝彦:2
1:東京慈恵会医科大学附属柏病院 外科, 2:東京慈恵会医科大学附属病院 肝胆膵外科

【緒言】肛門管近傍の解剖の理解が深まり括約筋間直腸切除術(ISR)が普及した.腸管と肛門を直接吻合しても排便機能が十分保たれることから,当科では2014年より潰瘍性大腸炎手術におけるJ pouch再建をcuff-lessでDST再建してきた.また静脈の太さと比較して血管結紮用clipが大き過ぎるため,大腸全摘術の様に多岐にわたる長時間の手術では,clipの脱落による出血の不安に術者は悩まされたため,clipless手術を行ってきた.今回それらの有用性について報告する.
【手術手技】主要な動脈はclip後切断しているが,副右結腸静脈,中結腸静脈や下腸間膜静脈などの主要血管は血管を十分に露出してからsealingしcliplessで切断する.直腸を肛門管内まで十分に剥離し,30mm staplerを3回用いて直腸を切断する.1回目は直腸尿道筋の切断を目的とし,2-3回目は直腸を肛門管上縁の高さで切断する.臍部より標本を切除後,J pouchを作成しその断端にanvilを装着し,再気腹後25mm circular staplerを用いてDST再建する.
【成績】これまでに10例(男7例,女3例:癌化例3例),平均年齢42.0(20-74)歳を施行した.平均手術時間303.4 (260-335)分,平均出血量49.0 (0-200) ml,平均術後在院日数16.3 (14-18) 日であり,術後合併症は特にみられなかった.DST再建はほぼ歯状線の高さで吻合できた.術後1年のdefecographyでは全例で排便機能が良好で,癌の再発例もない.
【考察】直腸を肛門管上縁で切断し,25mm circular staplerで肛門管を経肛門的にくり抜くことで歯状線の高さで安全に吻合ができた.また術後排便機能も良好であった.
【結語】今後,腹腔鏡下大腸全摘術におけるclipless手術+cuff-less DST再建が標準的な手術操作になり得る可能性が示唆された.
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