演題

O1-19-10-2

進行食道癌に対するDCF療法を用いた集学的治療

[演者] 田邊 俊介:1
[著者] 白川 靖博:1, 河本 慧:1, 松三 雄騎:1, 前田 直見:1, 二宮 卓之:1, 野間 和広:1, 西崎 正彦:1, 香川 俊輔:1, 藤原 俊義:1
1:岡山大学大学院 消化器外科学

【背景】進行食道癌に対する外科的治療成績には限界があり,化学療法や放射線療法など術前後の集学的治療を強力に行うことが生存率向上のために重要である.JCOG9907試験の結果を踏まえCisplatin,5-FUを用いたCF療法が標準的な 術前化学療法として行われている.当院ではcStageIII症例に対しては,より強力な術前化学療法としてCF療法にDocetaxelを加えたDCF療法を2011年より導入している.さらにcT4あるいはそれに近い局所進行症例にはDCF療法と放射線療法を併用して,現状の食道癌治療で最も強力な局所制御力を持つ化学放射線療法(CRT)を行う.この強力な集学的治療により,これまで根治不能であった症例にも手術を行い,治療成績向上を目指している.2010年4月から2016年11月の期間に食道癌手術症例384例中の術前療法を施行した進行食道癌202例の治療効果,有害事象など詳細について検討し報告する.【術前化学療法】2011年以降はcStageIII症例には原則DCF療法(Docetaxel:70mg/㎡・Day1, Cisplatin: 70mg/㎡・Day1,5-FU: 70mg/㎡・Day1-5)を術前化学療法として行っている.術前DCF療法2コース完遂症例が73例,CF療法2コース完遂症例は53例であった.DCF療法の有害事象はGrade4好中球減少が95%と多く,その他は消化器関連症状が70%に認められた.PR以上の奏功率は60.2%(CF療法:41.2%),R0切除率90%,病理組織効果判定Grade2以上が37.0%(CF療法:9.8%)であり,DCF療法はCF療法に比べかなり奏功していた.【局所進行食道癌に対するDCF-RT】cT4またはそれに近く根治切除困難と判断した症例には,DCF併用のCRTにて局所制御を図っている.CRT後の画像検査で癌遺残を認める症例はもちろん,CRの可能性がある症例に対しても,根治切除を行うことを基本としている.cStageIVa症例11例にDCF-RTを施行し,うち9例に根治手術を行った.全例R0切除,組織効果判定はGrade3:6例Grade2:3例であった.遠隔転移にて4例死亡しているがその他は生存中である.【結語】強力なDCF療法を用いた集学的治療により食道癌の治療成績向上が期待される.
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