演題

O1-19-10-1

進行食道癌に対する術前化学療法と不応症例に対する治療の検討

[演者] 小西 博貴:1
[著者] 藤原 斉:1, 塩崎 敦:1, 小菅 敏幸:1, 小松 周平:1, 有田 智洋:1, 森村 玲:1, 市川 大輔:1, 岡本 和真:1, 大辻 英吾:1
1:京都府立医科大学附属病院 消化器外科

(はじめに)進行食道癌の治療戦略において,術前療法の選択や効果は治療成績を大きく左右すると考えられる.一方で不応症例を適切に選別し放射線療法を含めた集学的治療を検討する事も重要と考えられ,当科における術前化学療法と不応症例の治療について検討した.(方法)①当科で2008-2015年に術前FP療法を施行したcStageII, III食道癌152例に対する成績を検討し,cStageIII症例に対する術前DCF療法37例の治療成績を報告する.②化学療法後に手術治療を施行したT3以深あるいはN3以上の進行食道癌について,手術根治度と非治癒因子の関連を検討した.③大動脈浸潤例に対する手術治療について報告する.(結果)①cStageII/III症例におけるFP療法の奏効率は37.6%で,ダウンステージに差はないものの,cStageIII症例で組織学的効果は低く(p=0.05),R1/2切除が多かった(p=0.08).両群の5年生存率は74%/41%でcStageIII症例では予後改善を認めなかった.術前DCF療法をcStageIII症例37例に施行し,33例で根治術が施行された.R1/2切除を3/3例に認めたものの,奏効率は55%(PR/ SD+PD 18/15),組織学的効果はgrade0-1a/1b-3 18/15(45%)と高かった.②FP療法後のR0/1/2切除は106/25/18例であり,R0症例で有意に予後良好であった(p<0.001).R1/2切除と有意な相関を示す因子として,多変量解析で化学療法後の肉眼型(1~4型,p=0.01,OR=5.77),占拠部位(UtCe,p=0.006,OR=9.15)が独立した危険因子となった.予後解析では,cN0-2 (p=0.02),化学療法後の肉眼型(0/5型,p=0.003),pStage0-II(p=0.002),組織学的効果1b-3(p=0.01)が有意に良好な予後因子であった.③大動脈浸潤を伴う再発症例に対して,ステントグラフト留置後に腫瘤切除・大動脈壁合併切除が施行可能な症例を経験し,症例選択によっては有効な治療法となる可能性が示唆された.(結語)術前FP療法の検討から,cStageIII症例での術前DCF療法は有望な治療法となる可能性がある.しかしながら,術前治療不応例を正確に診断し,放射線治療や侵襲的な手術療法の適応を判断する事も予後改善の可能性を有すると考えられた.
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