演題

WS15-8

当院における汎発性腹膜炎手術の検討

[演者] 藁谷 暢:1
[著者] 阿左見 亜矢佳:1, 外舘 幸敏:1, 多田 武志:1, 本多 通孝:1, 鈴木 伸康:1, 佐藤 直:1, 高野 祥直:1, 阿部 幹:1, 寺西 寧:1
1:脳神経疾患研究所附属総合南東北病院 外科

【背景】急性汎発性腹膜炎に対する手術後の予後は不良であり,その原因は伴う敗血症とDICによるものと考えられる.
【目的】当院における急性汎発性腹膜炎にともなう敗血症とDICに対する治療戦略とその効果について検討し明らかにする.
【対象と方法】2007年から2016年までに当院において急性汎発性腹膜炎手術を行ったのは146例で,上部消化管穿孔に起因するものが83例,下部消化管穿孔に起因するものが63例であった.救急外来にてショック状態であった症例は42例であった.
【治療方針】我々は,救急外来にて術前よりEarly goal directed therapy(EGDT)に基づき細胞外液と必要に応じて赤血球と凍結血漿製剤の輸液,カテコラミンの投与を行い,腹膜炎の根本的治療となる手術を施行.術後カテコラミン投与にても血圧の維持が困難な症例,術前よりショック状態で有り,腹膜炎が高度である場合にはPMXを用いたエンドトキシン吸着療法を行った.また,合併するDICに対しては,DICスコアを用いてバイタルサインや感染兆候によりトロンボモデュリンアルファまたはAT-III製剤の併用を行い,早期治療を開始するようにした.
【結果】ICU搬入時のSOFAスコアは11.3±3.7, 術後カテコラミンでも循環不安定であった症例,高度の腹膜炎と考えられた症例に対してはPMXを積極的に施行した.30日死亡率は全体で9.6%であり,上部は9.5%,下部は9.6%であった.入院中に死亡となった症例は14例であった.内訳は,癌性腹膜炎を合併した症例,透析患者,発症より治療までの時間を要し,術前にショックに移行した症例などであった.
【結語】腹膜炎の原因が手術により根治できているのであれば,適切なEGDT管理による体液コントロールとPMXによるエンドトキシン吸着,合併するDICへの早期治療により,汎発性腹膜炎症例の救命率は高いものと考える.
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