演題

WS15-7

敗血症性ショックを合併した汎発性腹膜炎の初期治療 ―新しい初期輸液法と早期手術―

[演者] 小豆畑 丈夫:1,2
[著者] 中村 和裕:1,2, 河野 大輔:1,2, 小松 智英:1, 杉田 篤紀:1, 木下 浩作:1
1:日本大学医学部 救急集中治療医学, 2:青燈会小豆畑病院 救急・総合診療科

【背景】汎発性腹膜炎に対する感染巣コントロール手術はできるだけ早期に行うことが基本である.しかし,その患者が敗血症性ショックを合併している場合,循環動態不安定の状態で早期手術を行うべきかどうかは明らかにされていない.我々はseptic shockを伴う消化管穿孔に対して,組織酸素代謝を意識したEarly goal-directed therapy (EGDT)による初期輸液と循環動態に関わらず早期手術を開始するEarly infectious source control (EISC)をしたいとしたprotocolを作成し診療を行ってきた.その後の研究で,来院から手術開始までの時間が転帰に影響することを示した(Critical Care 2014).【検討】今回,protocol導入前後で治療・転帰を比較し,その治療的意義を検討した.Protocol導入後のseptic shockを合併した消化管穿孔137例: Protocol groupとprotocol導入以前の105例: Control groupを比較した.【結果】年齢・性別・穿孔部位・重症度・抗菌薬投与までの時間・手術時間・術後の支持療法に差はなかった.総輸液量は来院から6時間以内はprotocol groupが多かったが,24時間後には逆転していた.手術導入までの時間は有意差を持ってprotocol groupが短く,かつ,60日転帰が良好であった.protocolは早期手術導入を可能とし,24時間総輸液量を抑制し転帰を改善したと考える.【結語】EGDTに支持された速やかな感染巣コントロール手術であるEISCは,消化管穿孔に伴う敗血症性ショックの予後を改善する可能性があると考える.
詳細検索