演題

WS15-1

急性汎発性腹膜炎手術における周術期集学的治療戦略

[演者] 真弓 俊彦:1
[著者] 富田 章仁:1, 馬庭 幸詩:1, 新里 到:1, 眞田 彩華:1, 甲村 稔:1, 大坪 広樹:1
1:産業医科大学医学部 救急医学

【背景・目的】汎発性腹膜炎手術は現在でも手術関連死亡が14%を超える疾患である.ここでは,その周術期の集学的治療戦略について概説する.

【術前管理】「急性腹症診療ガイドライン2015」が発刊され,そこでは,2 Step Methodによる診療が提唱されている.Step 1では,バイタルサインから評価し,これらに異常がある場合には,A(気道),B(換気),C(循環)を是正しながら,手術など緊急処置が必要な病態か判断する.これらに異常がない場合には,Step 2で,問診や身体所見によって病態から類推し,血液・尿検査や画像検査などによって診断する.つまり,急性腹症では,診断と並行して全身管理が求められる.また,感染巣の検索とともに抗菌薬やアセトアミノフェンなど鎮痛薬の迅速な投与等も必要である.

【術中管理】最も重要な適切な手術とともに,輸液バランス,体温保持などによる術中の呼吸循環管理,麻酔医との良好なコミュニケーションが必要である.

【術後管理】呼吸循環管理とともにEnhanced recovery after surgery (ERAS)プロトコルを念頭に置いた,早期のリハビリテーション,早期の経口経腸栄養,せん妄対策も必要である.
質の高い研究で得られた情報をもとに,医療スタッフ全員と患者に対する教育の徹底化,および両者間の相互理解を確立し,最善の効果を生む出す努力が必要である.
詳細検索