演題

WS14-5

大腸癌幹細胞培養技術を利用したゲノム解析による大腸癌標的パスウェイの探索

[演者] 長山 聡:1
[著者] 片山 量平:2, 福長 洋介:1, 藤本 佳也:1, 小西 毅:1, 秋吉 高志:1, 長嵜 寿也:1, 上野 雅資:1, 佐野 武:1
1:がん研究会有明病院 消化器外科, 2:がん研究会がん化学療法センター 基礎研究部

【目的】大腸癌切除検体から患者由来の大腸癌幹細胞様細胞株を樹立し,各種抗腫瘍薬の薬効評価情報とプロテオゲノミクスプロファイリングデータ(リン酸化プロテオミクスを含む)を統合して,新たな治療ターゲットを探索すること,さらに対応する患者の臨床上の薬剤治療効果判定情報を照らし合わせて薬剤の有効性を評価する指標を探索することも目的とした.【方法】(1)大腸癌培養株の樹立は,癌幹細胞性を持つ細胞が維持される専用培養液と最適条件(Ohata H, Cancer Res 2012)を利用.(2)遺伝子変異解析は,KRAS, BRAF, PIK3CA, PTEN, APC, βcateninなど大腸癌において変異が報告されている遺伝子に加えて,TCGAやCOSMICのデータベースに登録されている変異遺伝子から合計100個を選別し,次世代シークエンサーを用いて,ターゲットシークエンスを施行.(3)標的が明確となっている各種抗腫瘍薬剤(EGFR,VRGF,FGFR,mTOR,PI3K,MEKなどを標的とした阻害剤ライブラリー)に対する薬剤感受性を検討.【結果】(1) 約6割の成功率で既に30 以上の細胞株が大腸癌手術検体から樹立された.(2) 遺伝子変異プロファイルが明らかとなった大腸癌幹細胞様細胞株30種類の薬剤感受性マップを作製した(図1).【考察】これらのデータを元に,臨床上治療に難渋しうるKRAS 変異型大腸癌症例に対する新たな治療戦略を検証している.KRAS 変異以外の遺伝子変異情報(BRAF, PIK3CA, p53 など)に基づいた新たな個別化治療への可能性も追求しており,またKRAS 野生型の中の真の感受性群の選別など,化学療法の感受性・抵抗性のより正確な指標も探索中である.

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