演題

WS13-8

小型人型ロボットハンドを用いた次世代型腹腔鏡下手術の開発

[演者] 向井 正哉:1
[著者] 吉田 宏輝:2, 加藤 龍:2, 横井 浩史:3, 小池 卓也:1, 横山 大樹:1, 宇田 周司:1, 長谷川 小百合:1, 野村 栄治:1, 幕内 博康:1
1:東海大学付属八王子病院 外科, 2:横浜国立大学理工学部機械工学・材料系学科, 3:電気通信大学情報理工学研究科

欧米や中東では現在でも盛んに用手補助腹腔鏡下手術(HALS)が行われており,本邦でも再び注目を集めている. HALSは従来の腹腔鏡下手術に比し,1)手術時間が短い,2)触診/触覚が得られ,腫瘍径が大きく重い腫瘍でも愛護的操作が可能,3)低コストで合併症や生存成績等は定型開腹と同等の利点がある(tes.tokai.ac.jp/oncs-hp/hals-rg). そこで大腸癌症例に積極的にHALSを導入し500症例以上を経験し良好な成績を報告してきた(Oncol lett 2014,Mol clin Oncol 2015). 約40-50mmの小切開先行で,結腸は2穴のみ,直腸は3穴で大腸癌全術式に対応している. しかし,HALSでは1)小切開創が35mm以下にならない,2)手指が熱い,3)手関節可動域に制限がある. これらの問題点を解決するため,自分の手のように操作できる小児程の5指多関節型ロボットハンドに着目し,2013年より医工連携し次世代型ロボットHALSが臨床応用可能かどうかを検討している. 現在ロボット技術の目覚ましい進歩により外科手術においてもロボットハンドを用いた報告は多数散見されるが,その殆どが人の手とかけ離れた3-fingered typeや鉗子型であり臓器や組織を愛護的に掴む,摘む,握る,牽引/圧排するといった多様な操作を一つのデバイスで実現することは困難である. そこで人の手に近い多くの運動自由度を持ったエンドエフェクタとそれらを用意に操作可能なインタフェースが必要となる. これまで複数の産業特許を取得し(2012-249674, 2011-245575, 2010-082342)開発考案されてきたマスタースレーブシステムを改良し,壊れにくさと関節の柔らかさを目的として各指関節がバネの力で連結され,指節端同士が嵌合するロボットハンドを用いた. 手袋5.0サイズの3号機モデルを用い,1)300gの食用鶏胸肉の皮を第1指/第2指で摘まみ(pinch),胸肉を5cm以上持ち上げる,2)胸肉を全5指で掴んで(grasp),5cm以上持ち上げ90度以上回転運動を加える実験を行った. Pinch成功率は90%(18/20),Grasp成功率は80%(16/20)であった.【まとめ】今回は当科で行っている臍部縦切開50mmの3-port HALSによる直腸癌/超低位IO吻合やMiles手術をビデオで供覧し, 実際のロボットハンドによる疑似HALS手術操作の動作確認や問題点を検討した. 現在, Large animalを用いた脾摘や直腸切除術の実現に向け手術室で電気デバイスを用いdry box内(胸肉)トレーニングを行っている. 今後の展望として, 先ずは学内動物実験倫理委員会の承認が得られたところである.
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