演題

WS13-7

外科解剖解明と免疫組織診断の新たなステージ:コンピュータ画像解析による組織標本立体再構築法の臨床応用

[演者] 池田 哲夫:1
[著者] 伊藤 心二:2, 長尾 吉泰:1, 播本 憲史:2, 赤星 朋比古:1, 池上 徹:2, 副島 雄二:2, 吉住 朋晴:2, 橋爪 誠:1, 前原 喜彦:2
1:九州大学病院 先端医工学診療部, 2:九州大学大学院 消化器・総合外科学

【背景】CT,MRIなどで,解剖学的構造が明らかにされることになったが,実質臓器や充実性腫瘍では内部のミクロ構造を解明できるには至っていない.一方で組織学的画像情報はバーチャルスライドを応用したコンピュータ画像解析によるミクロレベルでの詳細な解析が可能となった.
【目的】デジタル画像処理技術に画像認識技術を応用し,人体組織のミクロ立体構造を解き明かし,外科手術およびがん治療に貢献する.
【方法】CG解析方法:腫瘍病理標本または病理解剖標本のホルマリン固定検体より,作成した厚さ5mmのブロックから5μmm薄切切片を200枚~1000枚,合計約5000枚程度の薄切切片を作成し染色(免疫染色を含む)を行い,バーチャルスライドとしてコンピュータに取り込み画像解析および立体再構築した.
【結果】 肝門部および肝静脈流出部の検討から.1門脈はGlisson鞘 (GS)の走行そのものであるのに対し,肝動脈や胆管は周辺を門脈を取り囲むように走行し,肝門付近では門脈を跨いで合流,分岐するためGS内で胆管および動脈を損傷した場合,門脈支配と異なる,領域である可能性がある.2.肝被膜は肝実質に入ると直ぐにGSおよび肝静脈壁に融合しており被膜を肝実質側に残すと,GC内に侵入あるいは静脈壁自体を剥離する結果となる.
マイクロサテライト不安定性を高頻度に認める(MSI-H)大腸癌の検討から,PDL-1発現細胞は癌先進部の腫瘍実質を中心に認められ,CD31発現と類似しており,PDL-1抗体の作用機序解明につながる所見であった.
【結語】 コンピュータミクロ構造解析法は現代外科医療における診断と治療方針決定に極めて有用である.

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