演題

WS13-5

非視覚的生体情報の統合した,マクロ・ミクロをカバーする4K/8K対応・内視鏡手術システムの開発

[演者] 遠藤 和洋:1
[著者] 太白 健一:1, 直井 大志:1, 佐久間 康成:1, 堀江 久永:1, 細谷 好則:1, レフォー アラン:1, 北山 丈二:1, 佐田 尚宏:1
1:自治医科大学附属病院 消化器外科

始めに)
鏡視下手術の大きな利点は,拡大視効果である.現在は,4K内視鏡システムが市販され,さらに8Kセンサの活用にも期待がもたれている.しかし実手術でその利点を生かすためには,充分な光学的な解像が必要で,レンズを含めたシステムの開発が必要となる.
さらに,8Kの膨大な情報提示能力を活用し,術野の視覚的情報以外の生体情報を収集し提示することで,新たな手術支援に寄与することが期待される.今回我々は,マクロからミクロまでの観察が可能な光学システムと,非侵襲的に生体情報を取得する腹腔内センシングの可能性を検討した.
方法)
我々は,マクロからミクロまでをカバーする光学システムを開発し,ブタを用いた実証実験を行った.手術野のマクロ観察と同時に,腸管漿膜面のミクロ観察を行い,血流遮断の効果を観察した.さらに,同部位に対して接触型の雰囲気測定により,酸素化や局所温度などの生体情報を含む生理的パラメーターを取得する腹腔内センシングの可能性も検討した.
結果)
マクロでは,通常腹腔鏡の術野観察と同様の視野が実現し,一方で,ミクロ観察では,複雑な腸管蠕動(短軸方向と長軸方向の複合した運動)が観察し得た.漿膜面表層の微細な脈管と,さらに深層に存在する太い脈管が観察された.腸間膜血管の遮断によって,蠕動の変化と消失が確認され,さらに漿膜面からの深層脈管の鬱血が確認された.遮断解除により蠕動の改善および鬱血の改善が確認された.同部位での酸素化,局所温度,静電容量,といった生理的パラメーターの変化が確認できた.
まとめ)
今回の観察結果から,レンズ性能および取得画像からも十分に8K画素数を充足すると確認できた.また,様々な生体情報を非侵襲的に持続測定可能であった.
4K・8Kといった高画素での内視鏡システムは,その情報提示能力から,マクロ視野における広い術野,ミクロ視野による高倍率視野を提示できる.くわえて高精細な術野を確保しつつ,視覚情報以外の生体情報を同時に提示することによって,新たな付加価値を持った手術支援を可能にすると考えられる.
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