演題

WS11-11

当院における消化器外科領域のOncologic emergencyの現況

[演者] 小泉 哲:1
[著者] 井田 圭亮:1, 小倉 佑太:1, 路川 陽介:2, 藤川 あつ子:3, 小林 慎二郎:1, 牧角 良二:1, 民上 真也:1, 大坪 毅人:1
1:聖マリアンナ医科大学病院 消化器・一般外科, 2:聖マリアンナ医科大学病院 消化器・肝臓内科, 3:聖マリアンナ医科大学病院 放射線科

【はじめに】がん患者数の増加に伴い,臨床医がoncologic emergencyに遭遇する機会はさらに増えるとされる.そしてoncologic emergencyに陥った患者の予後は,担当医による早期の診断と適切な治療の実施の有無が左右する.
【目的】消化器外科領域におけるoncologic emergencyの現況を明らかにし,消化器外科医への診療需要を詳らかにする.
【方法】2012年1月から2016年12月までに,当院で消化器外科領域の治療を受けたがん患者の中からoncologic emergencyに陥った患者を抽出する.
【結果】Oncologic emergencyに陥った患者総数は375名で,対応種別には,緊急手術104名(27.7%)・非手術271名(72.3%;経カテーテル的動脈塞栓術26名,経肛門的大腸減圧チューブ挿入62例,胆道ドレナージ183名)であった.緊急手術を行った104名の内訳は,男性63名,女性41名で,年齢は65.8(±15.3)歳であった.原発臓器は,食道3例・胃14例・小腸12例・大腸56例・肝3例・胆道2例・膵3例・その他11例であった.緊急発生時の悪性疾患診断状況は,既診58例(55.8%)・未診46例(44.2%)であった.緊急病態と悪性疾患の関連については,腫瘍随伴65例(62.5%)・治療随伴35例(33.7%)・並存4例(3.8%)であった.緊急病態発生要因(重複あり)については,出血14例・穿孔(破裂)56例・閉塞(絞扼)34例・感染(炎症)61例・その他2例であった.転帰は,手術関連死亡0例・在院死亡4例・軽快退院100例であった.治療到達度については,根治75例(72.1%;一期的72例,二期敵3例)・非根治29例(27.9%)であった.術後在院日数は,32.3(±26.6)日であった.
【考察】消化器外科領域で扱われるOncologic emergencyは多岐にわたるため,単独の外科医によりすべての対応を行うことは困難である.がん診療を行うすべての施設で緊急病態に常に対応できる体制を整えておく必要がある.また,がん診療を担当する医療者は,すべてのがん患者が緊急病態に陥る危険性を孕んでいること,緊急発症の患者の中に悪性疾患が原因あるいは保有している可能性があることを常に念頭に置いて診療にあたることが重要である.
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