演題

WS11-6

大腸癌Oncologic Emergency症例における術後合併症,在院死リスク評価法の検討

[演者] 佐藤 学:1
[著者] 佐瀬 友彦:2, 小野 文徳:2, 大村 範幸:2, 小村 俊博:2, 遠藤 公人:1, 原田 昭彦:1, 藪内 伸一:1
1:JCHO 仙台南病院 外科, 2:大曲厚生医療センター病院 外科

【背景】大腸癌Oncologic Emergency (OE)に遭遇することはしばしば経験されるが,大腸癌OE症例では緊急手術が必要とされることもあり,術後合併症,死亡率も高い傾向にあるとされている.大腸癌OE症例における術後合併症およびリスクが適切に評価できれば合併症,在院死予防につながる可能性があるが,評価法の議論はまだ不十分である.【目的】当科で経験した大腸癌OE症例に関して,臨床的背景を明らかにし,術後合併症および在院死リスク因子を推定すること.【対象と方法】2007年1月から2013年12月まで当科(大曲厚生医療センター外科)で手術となった大腸癌OE症例71例とした.71例に関して年齢,男女比,病変部位,進行度,術式,転帰といった臨床的背景について検討した.病態は「閉塞」,「穿孔」,「出血」,「炎症」に分けた.また71例をClavien-Dindo分類のGradeⅡ以上合併症の有無および在院死の有無に分けて術後合併症,または在院死リスク因子について検討を行った.患者因子,手術因子,各手術リスク評価法(ECOG-PS,ASA,POSSUM(PS,OS,予測合併症率,予測死亡率,P-POSSUM),SAS,E-PASS (PRS,SSS,CRS))といった各因子に関して単変量解析を行い,有意差を認めた因子に関して多変量解析を行い,独立した術後リスク因子を推定した.【結果】大腸癌OE症例の分類では,閉塞例が53例,穿孔例が11例,炎症例が3例,出血例が4例であった.GradeⅡ以上の術後合併症症例は19例(26.8%)に認められた.また在院死例は6例(8.5%)に認められた.多変量解析を施行したところ,独立した合併症リスク因子としては,POSSUMのPS,ASA3以上が,在院死リスク因子としてはE-PASSのPRSが推定された.PSのROC曲線を作成したところ,27が閾値となり,PRSのROC曲線では0.930が閾値となった.【結語】大腸癌OE症例においては,POSSUMのPS,ASA3以上が独立した合併症リスク因子と推定され,さらにE-PASSのPRSが独立した在院死リスク因子と推定された.これら抽出されたリスク因子はいずれも術前に把握可能な因子であり,これらの因子は術前からの合併症,在院死リスク予測に有用である可能性が示唆された.
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