演題

WS11-5

大腸癌穿孔の治療方針

[演者] 笠島 浩行:1
[著者] 加藤 紘一:1, 長瀬 勇人:1, 植木 伸也:1, 佐藤 利行:1, 砂原 正男:1, 久留島 徹大:1, 中西 一彰:1, 木村 純:1
1:市立函館病院 消化器外科

【はじめに】大腸癌穿孔は敗血症合併から緊急的な生命の危険があり,救命し得た場合にも癌の長期予後への影響が懸念される.今回,当院における大腸癌穿孔症例について後方視的に検討し,その治療方針を考察した.【対象と方法】当院で1993年から2016年11月に手術した大腸癌2161例のうち穿孔例は101例(4.7%)であった.切除を施行した96例を対象に,短期成績と長期予後を検討した.【結果】男53:女43で平均71.6歳.穿孔形態(遊離:被覆:穿通:医原性)は(50:36:6:4).大腸癌イレウス合併は46例(47.9%).腫瘍局在は右側(C~T)27例:左側(D~Rb)69例.吻合施行率は右側25/27例(92.6%):左側21/69例(30.4%).腹腔鏡手術は12例(24%).中枢側D3郭清は46例(47.9%).短期合併症は表層SSIが24例(25%),縫合不全が5/46(10.9%).在院死は15例(15.6%)で20日以内での死因は敗血症,DIC,それ以降での死因は誤嚥性肺炎,心筋梗塞など心肺合併症であった.StageII~IIIの再発は18/65例(27.7%)で,局所再発8例,肺転移5例,肝転移4例,腹膜播種4例であった.在院死を除くStage別の5年全生存を同時期の非穿孔例(他病死含む)と比較すると,IIで54.1%:72.2%,IIIで31.6%:52.6%.在院死を除くStageIIの5年全生存は根治度Aで63.4%,B/Cで25%,補助化学療法ありで61.9%,なしで49.1%.StageIIIの5年全生存率は根治度Aで42.8%,B/Cで0%,補助化学療法ありで34.4%,なしで20%.【考察】穿孔例の長期予後は通常の大腸癌よりも不良だが根治手術と補助化学療法で改善が期待できる.緊急手術でも可能な限り根治手術を行い,術後補助化学療法を施行することが必要と考える.

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