演題

WS11-4

閉塞性大腸癌に対する緊急内視鏡診断と大腸ステント留置術

[演者] 斉田 芳久:1
[著者] 榎本 俊行:1, 竹下 惠美子:1, 高橋 亜紗子:1, 中村 陽一:1, 長尾 さやか:1, 渡邊 良平:1, 樋口 格:1, 片田 夏也:1, 草地 信也:1
1:東邦大学医療センター大橋病院 外科

【目的】比較的頻度の高いOncologic emergencyの一つ閉塞性大腸癌の治療では早急な診断とともに腸閉塞の治療/解除そして大腸癌手術の根治性と手術の安全性向上を考えなければいけない.当科では大腸癌による腸閉塞疑いの症例では経鼻イレウス管などの先行無く,早急に緊急大腸内視鏡で診断をつけ,そのままBridge to Surgery(BTS)目的で大腸ステント留置術を行っているのでその方法と成績を報告する.
【対象と方法】1993年から2016年12月まで閉塞性大腸癌に対して大腸ステントを使用した症例の臨床的成績を分析した.
【結果】1993年から2016年までに242例の大腸ステント症例を経験,BTS目的では169例の閉塞性大腸癌に対して施行した.対象患者は平均年齢67歳,男性98名,女性71名であった.そのうち158例93%に合併症無く留置可能(技術的成功率)であった.留置時合併症としては穿孔4例2%,逸脱4例2%であった.留置症例では99%で狭窄解除が可能であり,臨床的成功率は156/169=92%であった.大腸ステント安全手技研究会の提唱するCROSS大腸閉塞スコアでは,大腸ステント留置前は全例減圧処置を早急に必要とする0が135例,2が4例であり,ステント留置後は臨床的不成功であった2例以外は自覚症状無く経口摂取可能な4まで改善していた.大腸ステントの術前留置期間は中央値8日間,平均10.9±16.7日であった.術後合併症はステント留置成功例では8%であり,留置不成功症例の38%と比較して有意に低率であった.周術期死亡はステント留置成功例では無かったが,留置不成功例で1例8%に認めた.また人工肛門造設率は,ステント留置成功例では5.7%と留置不成功例の69%と比較して非常に低率であった.
【結論】Oncologic emergencyである閉塞性大腸癌の治療方針として,迅速な診断と早期のBTS大腸ステント留置術は,早急な患者のQOLの改善だけでなく,良好な術後成績を可能とし人工肛門造設率を減少させる有効な手技である.今後は,全国レベルの長期予後調査の結果が待たれる.
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