演題

WS10-10

Gem+nab-PTX療法によるConversion surgery:現状と今後の方向性

[演者] 高橋 進一郎:1
[著者] 後藤田 直人:1, 杉本 元一:1, 小西 大:1, 池田 公史:2
1:国立がん研究センター東病院 肝胆膵外科, 2:国立がん研究センター東病院 肝胆膵内科

【目的】GEM+nab-PTX導入後2年が経過し切除不能膵癌へのConversion surgery (CS)は頻度を増しつつある.当院でのCS例を後方視的に検討し治療成績と今後の方向性について検討する.【方法】2005年1月-2016年11月に切除不能膵癌に対しCSが行われた24例の腫瘍状況,治療内容,成績について後ろ向きに検討した.CSの適応は,治療後に局所がBR相当に縮小した局所進行膵癌,転移巣が生検で癌陰性となった転移性膵癌とした.2016年9月より腫瘍マーカーが陰性化した亜全周の動脈腫瘍接触を有する局所進行膵癌もCS対象に加えた.【成績】局所進行膵癌22例,転移性膵癌(肝,腹膜)2例にCSが行われた.施行された術前治療は2014年までは化学放射線療法(9例),GEM+S-1(6例),FOLFIRINOX(2例)が主体であったが2015年以降全例がGEM+nab-PTX(12例)であった.直近1年のCSは12例と急増した.SSPPD,DP,DP-CAR,HPDが16,3,4,1例に行われ10例に門脈合併切除が併施された.96%がR0切除であった.治療前CT所見上,第2空腸動脈より足側の進展を伴うSMA半周未満の接触(5例),GDA根部の浸潤を伴うCHAへの半周以下の接触(5例)を有する局所進行膵癌がCS例として多く認められた.一方温存動脈に腫瘍が全周で接していた2例もR0切除が可能であった.組織学的効果はGrade 1aが9例,1bが10例,2が1例,4(pCR)が3例であった.GradeIII以上の合併症は29%と比較的少なかったが化学放射線療法施行の2例で膵液瘻,敗血症によるGradeVを認めた.治療開始からのMST,2生率,5生率は30M,67%,32%,手術を起算日とすると各々20M,38%,19%であった.単変量解析ではGEM+nab-PTX,術後補助療法施行例で有意に予後良好,化学放射線療法施行例,治療前画像腹腔動脈接触,総肝動脈接触,pA1例で有意に予後不良であったが多変量解析では予後因子を抽出できなかった.【結語】GEM+nab-PTX導入後原発巣縮小例,転移巣消失例の頻度が増しCSが増加した.長期予後の検討を要するが,その良好な抗腫瘍効果を考慮すると腫瘍マーカー陰性化例を中心に安全性を確認しながら適応を広げていくべきと考える.
詳細検索