演題

ME-A-10-4

腹腔鏡下に切除した巨大大網嚢胞の1例

[演者] 小田原 幹:1
1:関東労災病院

症例は生来健康な47歳女性.左上腹部に腫瘤を自覚し,近医を受診.腹部超音波検査にて10cm大の嚢胞性腫瘤を認め,精査加療目的に当科紹介となった.血液検査では特記すべき異常を認めず.腹部造影CTにて横行結腸を尾側背側へ圧排する径11cmの嚢胞性腫瘤,および子宮腺筋症を認めた.腹部造影MRIでは嚢胞内部はT1WI低信号,T2WI高信号であった.充実成分は指摘できず,大網嚢胞と診断した.婦人科にて子宮腺筋症が手術適応であったため,同時切除の方針となり,腹腔鏡下大網嚢胞切除術を施行した.4ポートで行い,横行結腸間膜,大網から嚢胞壁を全周性に鈍的・鋭的に剥離し,嚢胞を破ること無く切除.回収バッグに入れて摘出した.また婦人科にて腹腔鏡補助下腟式子宮全摘を施行した.術翌日より食事再開し,3PODに退院となった.病理組織学的検査では,嚢胞壁は膠原線維で構成されており,内面は一層の扁平化した上皮で覆われていた.免疫染色にて上皮はAE1/AE3(-), Carletinin(-), D2-40(+)であり,リンパ管上皮と診断された.内容液の細胞診はClass IIであった.悪性所見は認めず,大網嚢胞の診断であった.大網嚢胞は比較的稀な疾患であるが,術前診断で悪性が否定できない場合や腹部症状を伴う場合は,診断・治療目的の腹腔鏡下摘出術が有用と考えられる.総会では,手術動画および文献的考察を加えて報告する.

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