演題

ME-B-8-4

胆嚢管癌との鑑別に難渋した胆嚢管まで肉芽腫性変化が及んだ黄色肉芽腫性胆嚢炎の1例

[演者] 白石 裕大:1
1:済生会熊本病院 外科センター

【はじめに】黄色肉芽腫性胆嚢炎(xanthogranulomatous cholecystitis:XGC)は胆嚢炎の一亜型であり,漿膜下層を中心とする壁肥厚像を呈することが多く,特に,胆嚢癌との鑑別が困難であり術前診断および手術術式に苦慮することがある.XGCに対して,胆嚢癌が否定できず過大手術を行った多数の報告例がある.今回,XGCが胆嚢管にまで進展し閉塞性黄疸を来たし,胆嚢管癌の疑いで手術を施行した症例を経験したので,文献的考察 を加えて報告する.【症例】女性,86歳.皮膚の黄染を主訴に近医を受診し,閉塞性黄疸の診断で当院紹介となった.造影CTにて,三管合流部付近の胆嚢管を首座とする造影効果を伴う壁肥厚を認め,ERCPでも胆嚢管の不整な狭窄を伴う総胆管右側の壁の不整像を認めた.同部位のブラシ細胞診で悪性細胞疑陽性の診断であった.胆嚢管癌の術前診断で,さらに病巣は膵頭部に隣接しており膵頭十二指腸切除術の適応と考えたが,年齢およびADLを鑑みて所属リンパ節郭清を伴う肝外胆管切除術を施行した.術後病理組織所見では,胆嚢壁は線維性に肥厚し,泡沫細胞の集簇による黄色肉芽腫性変化が胆嚢管まで進展しており,XGCと診断した.【考察】XGCの炎症が,胆嚢管や総胆管に波及することは臨床的に散見されるが,病理学的には肉芽腫性変化が胆嚢管や総胆管に進展することはきわめて稀である.XGCは時に悪性疾患との鑑別が困難で,術前の病理学的診断能も限定的である.患者に対する不利益を最小限とする為に症例毎の検討が肝要と考えられた.
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