演題

ME-B-8-1

急速に増大した肝限局性結節性過形成の1切除例

[演者] 前川 毅:1
1:滋賀医科大学附属病院 消化器外科

(はじめに)
肝限局性結節性過形成(以下FNH)は,比較的まれな良性腫瘍であり,確定診断がつけば,切除する必要はない.今回,骨髄異形性症候群フォロー中に,急速に増大したFNHの一切除例を経験した.

(症例)
症例は30歳代男性.骨髄異形成症候群に対し骨髄移植,特発性血小板減少性紫斑病に対し脾臓摘出を施行され,当院血液内科にて経過観察されていた.経過中,肝外側区域S2に1.0cmの腫瘍性病変を指摘され,約4か月後には1.5cmと増大を認めた.CTの動脈相で濃染,門脈相で辺縁部のwashoutと中心部の造影効果の遷延を認め,EOB-MRIでは,動脈相で高信号,門脈相で高信号であり,肝細胞相でも高信号であった.また,スズコロイドシンチグラフィーでKupffer細胞の存在が示唆されたことから,FNHや結節性再生性過形成が疑われた.しかし,画像上FNHに特徴的な車軸様血管を示唆する所見を認めなかったこと,比較的急速な増大傾向を認めたため,悪性疾患が否定できず,腹腔鏡下肝S2部分切除を施行した.病理結果では,中心部に瘢痕様組織を認め,免疫染色にてCK7陽性の細胆管とh-caldesmon陽性の異常筋性血管の増生を認め,FNHと診断された.

(結語)
FNHは,腫瘍内出血などがなければ,腫瘍径の変化は乏しい.今回,約4か月で0.5cmの増大を認めた.この増大速度は,一般的な肝細胞癌の増大速度と矛盾なかったため,切除を行った.このような,急速に増大するFNHは非常に稀であるため,文献的考察を加えて報告する.
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