演題

ME-A-1-4

食道アカラシア術後食道表在癌にて内視鏡治療を施行した一例

[演者] 三浦 稜太郎:1
1:群馬大学大学院 病態総合外科学

【背景】食道アカラシアに食道癌が合併する報告は多いが食道アカラシア術後に食道癌を合併する報告は少ない.当院にて食道アカラシア術後10年の経過観察の上部消化管内視鏡検査にて発見された食道表在癌の一例を経験したので報告する.
【症例】症例は59歳男性,平成18年7月に食道アカラシアの診断にて当院にて腹腔鏡下アカラシア根治術(Heller-Dor)を施行.その後食事摂取改善し,術後5年は当院にて経過観察を行った後に近医にて定期的な内視鏡を含めた経過観察を行ってきたが平成27年頃より食事通過障害の再燃認めアカラシア症状の再燃を認めていた.平成28年5月頃背部痛を主訴に近医受診,上部消化管内視鏡検査にて著明な食道の拡張と切歯より33cmおよび38cmの食道右壁に食道表在癌を認め生検にて扁平上皮癌の診断となり当院再紹介となった.当院での精査の結果,多発食道癌 Mt type0-IIb cT1a(LPM)N0M0 cStage0, Lt type0-IIb cT1a(LPM)の診断となり内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の方針となった.
【経過】平成28年7月下旬入院,全身麻酔下に上記2病変に対しESD(DEILO: Double endoscopic intraluminal operation)にて手術を行った.【病理結果】両病変ともにsqumamous cell carcinoma, pT1a-LPM, pHM0, pVM0, pR0, INFa, ly(-), v(-)であった.
【考察】食道アカラシアの患者では食餌停滞による粘膜の慢性炎症が発癌の誘因となっているとの報告も認められ,発癌の頻度は手術により低下することも報告されている.当症例においても繰り返す慢性炎症が発癌の誘因となったことが示唆された.また,
食道アカラシア術後の食道癌の発生に関する報告では比較的長期の報告が多く長期的な内視鏡での経過観察が欠かせないことが示唆された.
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