演題

PO18-4

原発性肺癌術後の孤立性脾転移の1例

[演者] 佐野 恵美:1
[著者] 吉松 和彦:1, 伊藤 嘉智:1, 小池 太郎:1, 浅香 晋一:1, 今泉 理枝:1, 上原 咲恵子:1, 成高 義彦:2
1:済生会栗橋病院 外科, 2:東京女子医科大学東医療センター 外科

【はじめに】原発性肺癌の主な転移臓器は肝,肺,骨,副腎などで,脾転移は播種性転移などを伴う進行例や剖検で発見されることが多く,孤立性で切除される症例はまれである.今回,原発性肺癌術後の孤立性脾転移の1例を経験した.
【症例】64歳男性.肺扁平上皮癌で術前化学療法後,2015年7月に肺扁平上皮癌で右肺全摘出+縦郭郭清術を施行した.ypT3N1M0, StageIIIAの診断となり,術後補助化学療法としてCBDCA+S-1を4コース施行した.術後1年のPET-CTで胃噴門部に異常集積を認め,上部消化管内視鏡検査で胃穹窿部にSMT様の圧排像,CT検査で脾腫瘍を認めた.SCC,シフラの再上昇を認め,肺癌の脾臓転移を疑った.他臓器に遠隔転移は認めず,2016年10月に開腹脾臓摘出術を施行した.病理組織学的には中心部に壊死を伴う高分化型扁平上皮癌であり,肺癌の脾転移として矛盾しない所見であった.術後経過は良好で14病日に退院となった.
【結語】肺癌の脾転移は頻度が少なく,本症例のように他臓器転移を伴わない孤立性脾転移は非常にまれである.本邦において原発性肺癌の孤立性脾転移は検索しうる限りで8例報告されており,そのほとんどが外科的切除を施行していた.肺癌は遠隔転移が存在すると臨床病期StageIV期に相当し,今回の症例も治療方針に苦慮したが,原発巣の根治治療後の孤立性転移であり切除後の長期生存も期待できると判断し,確定診断も兼ねて外科的切除を選択した.肺癌術後の臨床経過中にPET-CTで発見された孤立脾転移に対して,脾臓摘出術を施行したため,若干の文献的考察も加え報告する.
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