演題

PO18-3

術前多角的な画像診断を行ったSclerosing angiomatoid nodular transformation of the spleenの一例

[演者] 熊野 健二郎:1
[著者] 杭瀬 崇:1, 荒木 宏之:1, 高木 弘誠:1, 國府島 健:1, 信岡 大輔:1, 吉田 龍一:1, 楳田 祐三:1, 八木 孝仁:1, 藤原 俊義:1
1:岡山大学大学院 消化器外科学

Sclerosing angiomatoid nodular transformation of the spleen (以下SANT)は2004年にMartelらにより報告された非常に稀な脾病変であり,術前に多角的な画像評価を行った報告はほとんどない.今回我々はUS/CT/MRI/ PETを術前に施行したが,確定診断に至らなかったため,脾臓摘出し,SANTと診断した1例を経験した.SANTを多角的に画像評価した非常に示唆的な一例であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
症例は30代男性,B型慢性肝炎でエンテカビル内服中であったが,増大する脾腫瘤を認めたため,当科に紹介となった.USにて2.5×2.6㎝の境界明瞭な低エコー腫瘤として描出され,10か月後には3.7×3.6㎝と増大傾向を認めた.ダイナミックCTでは動脈相で腫瘍中心部へ流入する栄養血管を認め,平行相にかけて腫瘍辺縁から中心部へ向かって徐々に造影され,FNH様の中心瘢痕所見を認めた.MRIではT1,T2強調画像で共に低信号であり,拡散強調画像でも低信号であった.FDG-PET/CTでは異常高集積(SUVmax:8.84)を認めた.悪性リンパ腫などが鑑別に挙げられ,悪性疾患を否定できないため診断的な脾臓摘出を行った.腫瘍は割面で内部に放射線状の白色線維化を認め,組織学的には炎症細胞を伴う間質の線維化によって隔離された分葉状の多数の血管腫様結節から成り,CD31,CD34陽性,CD8染色陰性でSANTと診断された.
SANT は特徴的な病理形態を呈する比較的新しい疾患概念であり,脾腫瘤の鑑別疾患の1つとして今後知っておくべき疾患と考える.また良性病変であり,US,CT,MRIなどの画像所見や病理学的特徴を知る事は診断上も有用であると考えられる.
詳細検索