演題

PO18-2

S状結腸癌脾転移が疑われた脾Sclerosing Angiomatoid Nodular Transformationの1例

[演者] 鈴木 玲:1
[著者] 田中 伸生:1, 高尾 聡:1, 青木 菜摘子:1, 浅井 健祐:1, 澤見 浩和:1, 福永 浩紀:1, 村田 賢:1, 山本 正之:1, 平塚 正弘:1
1:市立伊丹病院 外科

(はじめに)Sclerosing Angiomatoid Nodular Transformation(SANT)は2004年Martelらが初めて報告した非腫瘍性脾腫瘤である.S状結腸癌術後フォロー中に増大傾向を示し脾転移が疑われ切除したところSANTと診断された症例を経験したので報告する.(症例)30代女性(既往歴)右頬骨骨折で手術(現病歴)便潜血陽性のため行った大腸内視鏡検査でS状結腸にIpポリープを指摘,内視鏡的に切除した.病理診断で中分化腺癌,SM浸潤距離2000μm,リンパ管侵襲陽性(ly1)のためリンパ節郭清をともなった追加腸切除の方針となった.術前造影CTで脾下極に24mmの腫瘤あり,造影パターンから血管腫または過誤腫と考えられた.PET-CTでFDG異常集積(SUVmax2.6)なく転移より良性病変の可能性が高いと判断,pT1b cN0 cM0 cStage Iの術前診断で腹腔鏡補助下S状結腸切除術(D3)を行った.pT1b pN1(3/24) cM0で病期はStage IIIaであった.術後4か月のCTで脾腫瘤は30mmに増大していたので脾転移を否定できず脾臓摘出を行う方針とした.術後5か月目に開腹脾臓摘出術を行い,術後9日目退院.新鮮切除標本で脾下極に28mmの境界明瞭な病変あり,線維性結合組織に隔壁された密な小血管巣からなる小結節が多数癒合していた.組織像では悪性所見なく,形質細胞,好中球を含む軽度の炎症細胞浸潤あり,血管内皮細胞はCD34陽性CD31陽性CD8一部陽性で赤脾髄由来と考えられた.肉眼および組織所見を合わせてSANTと診断した.
(まとめ)非腫瘍性脾腫瘤であるSANTの症例を経験した.症例報告も徐々に増えており悪性腫瘍のフォロー中に脾臓に腫瘤性病変が見られた際の鑑別診断にあげておく必要があると考えられた.
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