演題

食道扁平上皮癌におけるオルガノイド培養について

[演者] 貴島 孝:1
[著者] 喜多 芳昭:1, 上之園 芳一:1, 有上 貴明:1, 尾本 至:1, 佐々木 健:1, 内門 泰斗:1, 田中 晃司:2, 中川 裕:2, 夏越 祥次:1
1:鹿児島大学大学院 消化器・乳腺甲状腺外科学, 2:ペンシルベニア大学

【はじめに】近年各種臓器にて特定の器官の細胞を三次元的に培養した立体組織であるオルガノイドの作成が多く報告されている.しかし食道扁平上皮癌(ESCC)にてオルガノイド培養が可能かどうか明らかになっていない.本研究の目的はESCCにおいてオルガノイド培養手技を確立することである.
【方法】未治療の進行食道扁平上皮癌患者において内視鏡下に腫瘍部より組織を採取し,酵素処理などにて腫瘍を細断化する.マトリゲルと包埋し24wellプレートを使用,EGF, Noggin, R-spondinなど各種増殖因子を入れた培養液とともに培養する.10-12日後にできたオルガノイドの個数,形態,大きさを顕微鏡下にて評価し,さらに免疫染色による増殖能の評価を行った.
【結果】9例中6例(67%)にてESCCからオルガノイドを形成することができた.HE染色にてオルガノイドを形態学的に分類し比較検討すると,低分化のSCCに類似したオルガノイドでは免疫染色にて高い増殖能を示した.また,ESCCの細胞株でも同様の実験を行うと,低分化のSCCに類似した構造のオルガノイドを形成した.
【考察】ESCCからのオルガノイド培養は短期間にて培養可能であり,またより生体内に近い環境にて培養できるとされている.今後オルガノイドの研究が進むことで,薬剤感受性試験を含めた個別化治療へつながっていく可能性が期待される.
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