演題

食道扁平上皮癌における再発後の治療成績と予後因子

[演者] 村上 千佳:1
[著者] 浜井 洋一:1, 伊富貴 雄太:1, 古川 高意:1, 恵美 学:1, 岡田 守人:1
1:広島大学附属病院 原医研腫瘍外科

【はじめに】食道癌では高侵襲な根治切除術が行われても,再発は少なくない.再発患者に対して治療の主体は全身化学療法であるが,手術や放射線療法を効果的に用いることで予後の延長が得られる可能性がある.食道扁平上皮癌再発症例の治療成績と予後因子を検討した.
【対象,方法】1990年から2013年に食道切除術が施行された食道癌症例のうち,占居部位(頚部は除く胸腹部食道癌),組織型(扁平上皮癌),術式(胸部操作・郭清あり),手術根治度(R0,1)から選別した400例中,再発を認めた133例(33%)を対象とした.再発形式や予後および再発後の予後因子を検討した.
【結果】初再発形式はLocoregionalが57例(43%),Distantが54例(41%),Combinedが22例(17%)で,再発臓器数は1/2/3臓器がそれぞれ96例(72%),27例(20%),10例(8%)であった.90%以上の症例が3年以内に再発していた.全再発症例の手術から再発までの期間中央値は9.1ヵ月,再発後の生存期間中央値は9.0ヵ月であった.再発後治療としては,化学療法33例(25%),放射線療法8例(6%),手術のみ4例(3%),化学療法+放射線療法51例(38%),化学療法+手術9例(7%),Best supportive care 28例(21%)に施行していた.臨床病理学的因子と予後との相関を単変量解析において検討し,占拠部位(Lt/EG),再発までの期間,pT,静脈侵襲,再発形式,再発臓器数,再発後治療が有意な因子であった.これら因子による多変量解析では,早期再発(OR, 1.02; 95%CI, 1.01-1.04; p = 0.03),3臓器以上の再発(OR, 3.60; 95%CI, 1.27-10.22; p = 0.02)が独立した有意な予後不良因子であった.再発後3年以上の長期生存を15例認め,Locoregional再発に対する化学放射線療法著効例,鎖骨上リンパ節再発の郭清症例,肺転移に対する切除または化学放射線療法著効例に長期生存が得られていた.
【結語】食道扁平上皮癌再発症例において,術後早期の再発,3臓器以上にわたる再発症例は予後不良である.しかし,Locoregional再発,他臓器転移のない鎖骨上リンパ節再発や肺転移症例は集学的治療が奏功し予後良好なものがある.再発症例においても,化学療法に加え外科的切除や放射線療法を効果的に用いることで長期生存が得られる可能性がある.
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