演題

食道癌術後再発症例における予後因子の検討

[演者] 原 豪男:1
[著者] 牧野 知紀:1, 山崎 誠:1, 田中 晃司:1, 宮崎 安弘:1, 高橋 剛:1, 黒川 幸典:1, 瀧口 修司:1, 森 正樹:1, 土岐 祐一郎:1
1:大阪大学大学院 消化器外科学Ⅱ

【はじめに】
近年の集学的治療の進歩により食道癌治療成績も向上したが,依然として約半数の症例で根治術後の再発を認める.再発食道癌,特に術後早期再発例は予後不良とされるがその予後因子や治療戦略は未だ確立されていない.
【方法】
2003年3月~2014年12月に当施設で胸部食道扁平上皮癌に対して根治切除を行った706例中,術後に再発を来した270例(38%)を対象とし,術後3か月以内に再発を来した早期群(n=31)と3か月以降の再発の非早期群(n=239)の2群で予後を含めた臨床病理学的因子の比較検討を行った.
【結果】
患者背景因子(早期群vs非早期群)は,早期群にcT(cT3-4 93.6 vs 75.7% p=0.025),cStage(cStage3-4 94% vs 70% p=0.006)の進行例が多く術前化学放射線治療症例(33% vs 14% p=0.0096)が有意に多かったが,その他の因子(年齢 ,性別,占拠部位,組織型,cN,cM,郭清領域)においては2群間で差は認めなかった.病理組織学的因子では早期群にpT,(pT4 16% vs 2.9% p=0.0008)の進行例が有意に多かったが,その他pN,pM,脈管侵襲,リンパ節転移個数,術前化学療法レジメ,術前治療効果,術後合併症に2群間で差はなかった.生存解析に関しては全生存期間中央値(日): 150 vs 692 日(P<0.0001)と早期群が有意に予後不良であった.再発形式に関しては早期群は非早期群と比較してリンパ節転移が有意に少なく(55% vs 74% P=0.025),胸膜播種再発(23% vs 10% P=0.039)が有意に多かった.また再発後3年以上の長期生存例は全再発例中24例(9.8%)であり,cT,pN,肝転移の有無,胸膜播種の有無の因子が長期予後に寄与していた.
【結語】
食道癌術後の早期再発例は胸膜播種再発が多く非早期群と比べ予後不良であった.再発例で長期生存に関連する因子としてcT,pN,肝転移・胸膜播種の有無が重要であり,high risk症例に対しては補助療法の追加などが必要となる可能性がある.
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