演題

食道癌術前化学療法の有害事象と体組成変化に関する検討

[演者] 本告 正明:1
[著者] 藤谷 和正:1, 中塚 梨絵:1, 團野 克樹:1, 小森 孝通:1, 柏崎 正樹:1, 杉村 啓二郎:2, 宮田 博志:2, 岩瀬 和裕:1, 矢野 雅彦:2
1:大阪府立急性期・総合医療センター 消化器一般外科, 2:大阪府立成人病センター 消化器外科

【背景】
切除可能進行食道癌に対する標準治療は術前化学療法後の手術であるが,化学療法は骨髄毒性,消化管毒性,発熱性好中球減少症等の様々な有害事象を引き起こす.近年,予後改善のために3剤併用等のより強力な術前化学療法が施行されるようになってきている.食道癌手術症例において,術前の低骨格筋量は術後肺合併症と有意に相関するという報告はあるが,術前治療中の有害事象と体組成変化に関する報告はない.
【対象と方法】
進行胸部食道癌にて術前DCF療法(DTX 70mg/m2 day 1 + CDDP 70mg/m2 day 1 + 5FU 700mg/m2 day 1-5)を施行した81例を対象とした.男性66例,女性15例,年齢65歳(中央値),cStage II/III/IVa: 21/47/13,DCF療法施行コース数 1/2/3: 12/63/6であった.生体電気インピーダンス法にて化学療法前後の体組成測定を行い,体組成変化(体重,除脂肪体重,骨格筋量,体脂肪量)と有害事象(白血球減少,好中球減少,下痢,口腔粘膜炎,発熱性好中球減少症)との相関について検討した.
【結果】
体組成変化と白血球減少,好中球減少,および,口腔粘膜炎とは相関を認めなかった.下痢(Gr1以下/Gr2以上:40/41)に関しては,体重,除脂肪体重,体脂肪量の変化とは相関を認めなかったが,骨格筋量減少率は下痢が高度な症例で有意に大きかった(P=0.035).発熱性好中球減少症(なし/あり: 36/45)に関しては,体脂肪量の変化とは相関を認めなかったが,体重,除脂肪体重,骨格筋量減少率は発熱性好中球減少症ありの症例で有意に大きかった(P=0.015, P=0.021, P=0.014).
【まとめ】
化学療法の有害事象が高度な症例では体重や除脂肪体重,骨格筋量の減少率が大きかった.有害事象を軽減する方法の確立が望まれる.
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