演題

食道癌cStageII/IIIで術前補助化学療法を施行した症例におけるCRP/Albの有用性

[演者] 音羽 泰則:1,2
[著者] 中村 哲:2, 山本 将士:2, 金治 新悟:2, 松田 佳子:2, 松田 武:2, 押切 太郎:2, 角 泰雄:2, 鈴木 知志:2, 掛地 吉弘:2
1:公立宍粟総合病院 外科, 2:神戸大学大学院 食道胃腸外科学

【目的】CRPとAlbは体内の炎症を反映することが知られており,それぞれ各種癌の予後因子であると報告されている.当科ではCRPとAlbより算出されたmodified Glasgow Prognostic Score (mGPS)が食道癌の術前化学療法(NAC)の前後で変化し,Post-NACのmGPSが独立した予後因子であることを報告した.しかし,多くの症例がmGPS 0に分類されるため,詳細なリスクを評価することが困難であった.最近ではCRP/Albが各種癌の予後因子であることが報告されているが,NAC施行症例における有用性については明らかでないため検討した.
【方法】2007年2月から2014年12月までに当科でNAC施行後に手術を施行した扁平上皮食道癌149例を対象に後方視的に検討した.
【結果】平均年齢は66.9±8.3歳,男女は129:20,Stage II/IIIの割合は60/89であった.Pre-NAC mGPS 0/1,2は128/21であり,Post-NAC mGPS 0/1,2は136/23であった.NACの前後でCRP/Albの改善は84例で認め,65例で悪化を認めた.CRP/Albのカットオフ値はPre-NACが0.030 (AUC: 0.589),Post-NACが0.048 (AUC: 0.703)であった.全患者の5年生存率は55.5 %で,観察期間中に61名が死亡した.Pre-NAC CRP/Alb を0.030で2群に分けて生存率を比較するとPre-NAC CRP/Alb < 0.030の方が有意に生存期間の延長が見られた (P = 0.046).同様にPre-NAC CRP/Alb を0.048で2群に分けて生存率を比較するとPre-NAC CRP/Alb < 0.048の方が有意に生存期間の延長が見られた (P < 0.001).単変量解析よりcT因子,cN因子,Pre-NAC CRP/Alb < 0.030,Post-NAC CRP/Alb < 0.048が予後因子であったが,他変量解析よりcT因子とPost-NAC CRP/Alb< 0.048が独立した予後因子であることがわかった(P = 0.030, P < 0.001).
【まとめ】NACの前後でCRP/Alb値は変化し,Post-NAC CRP/Albは独立した予後因子である.
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