演題

cStage III食道扁平上皮癌に対するDCF療法を用いた術前補助化学療法の短期成績

[演者] 瀬良 知央:1
[著者] 豊川 貴弘:1, 田村 達郎:1, 櫻井 克宜:2, 天野 良亮:1, 久保 尚士:2, 田中 浩明:1, 六車 一哉:1, 平川 弘聖:1, 大平 雅一:1
1:大阪市立大学大学院 腫瘍外科学, 2:大阪市立総合医療センター 消化器外科

【背景】本邦では,JCOG9907の結果から,切除可能 cStage II/III食道扁平上皮癌に対しては5-FU+cisplatin (FP) 療法による術前化学療法が標準治療として位置づけられている.しかしながら,cStage III症例においては予後の上乗せ効果がみられていなかったため,当科ではFP療法にdocetaxelを加えたDCF療法を導入している.今回,cStage III胸部食道扁平上皮癌に対して,術前補助化学療法として行ったDCF療法の安全性および有効性について検討する.【対象と方法】2015年5月から2016年12月の間に,DCF療法後に手術を施行した12症例を対象とした.投与法はdocetaxel: 30mg/m2 (day1,15),5-FU: 800mg/m2 (day 1-5),cisplatin: 80mg/m2 (day1)を4週間1コースとし,術前2コースを基本とした.【結果】年齢中央値は61.5 (48-75) 歳,性差は男性/女性 = 9/3例,Performance Statusは0/1 = 10/2例であった.占居部位はUt/Mt/Lt = 8/2/2例で,壁深達度はcT2/T3/T4a = 1/10/1例,リンパ節転移はcN0/N1/N2/N3 = 0/4/7/1例であった.施行コース数は1コース/2コース = 3/9例で,減量・スキップを要した症例は3例であった.抗腫瘍効果はCR/PR/SD/PD = 2/6/3/1例で,奏効率は75%であった.2例は気管浸潤のためにバイパス手術に終わったが,根治切除を行った8例のうち,病理組織学的効果はGrade 0/1/2/3 = 1/4/1/2例であった.Clavien-Dindo分類のGrade2以上の術後合併症は,反回神経麻痺を2例,肺炎,縦隔膿瘍を1例ずつに認めた.Grade 3以上の有害事象は白血球減少,好中球減少を2例ずつ,食欲不振,下痢,低Na血症を1例ずつに認めたが,発熱性好中球減少はみられなかった.【結語】切除可能cStage III食道癌に対する術前DCF療法は,奏効率が高く安全に施行可能で,有望なレジメンの一つと考えられた.
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