演題

食道癌に対する術前術後補助療法ごとの術後合併症と長期予後との関連

[演者] 坊岡 英祐:1
[著者] 竹内 裕也:1, 由良 昌大:1, 島田 理子:1, 須田 康一:1, 中村 理恵子:1, 和田 則仁:1, 川久保 博文:1, 北川 雄光:1
1:慶應義塾大学医学部 一般・消化器外科

【背景】現在cStage2/3胸部食道癌に対する標準治療は術前化学療法(5-FU+CDDP)+根治切除であるが,症例に応じ手術単独療法や術後化学療法,また臨床試験として術前化学放射線療法が選択される場合がある.
【対象】1997年1月から2012年12月まで食道癌に対し開胸開腹を伴う(胸腔鏡,腹腔鏡併用も含む)R0およびR1切除を施行した402例を対象とし,術前術後補助療法ごとに術後合併症と長期予後との関連について検討した.
【結果】食道癌診断時年齢は中央値62歳(34歳-82歳),性別は男:女=361(90.0%):41,UICC7thによるpStage0/1/2/3/4=11/119/100/152(37.8%)/18であった.また手術単独/術前化学療法/術前化学放射線療法/術後化学療法=197(49.0%)/117(29.1%)/32(8%)/56(13.9%)であった.術後合併症の定義としては肺炎,縫合不全はClavian-Dindo分類でGradeⅡ以上,反回神経麻痺はGradeⅠ以上とした.全症例では肺炎,縫合不全,反回神経麻痺は87例(21.6%), 80例(19.9%), 69例(17.2%)に認め,術前化学放射線療法群で縫合不全(28.1%)が有意に多かった.術前術後補助療法ごとの検討では,手術単独群で肺炎が有意な予後不良因子であったが(Fig.),その他の群では術後合併症は予後に影響を与えなかった.
【結論】今回の検討では手術単独群のみで肺炎が有意な予後不良因子であった.手術単独群はStage1も多く含まれるため再発より術後合併症が予後に与える影響が強く,また術前術後補助療法により術後合併症の予後悪化リスクを軽減している可能性が示唆された.

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