演題

化学放射線治療後の食道癌に対するサルベージ手術の治療成績

[演者] 上原 拓明:1
[著者] 番場 竹生:1, 中川 悟:1, 會澤 雅樹:1, 松木 淳:1, 藪崎 裕:1, 丸山 聡:1, 野村 達也:1, 瀧井 康公:1, 土屋 嘉昭:1
1:新潟県立がんセンター新潟病院 外科

【背景】食道癌の集学的治療において,根治的化学放射線治療(CRT)施行後の癌遺残や再発に対する食道切除はサルベージ手術と定義される.近年,集学的治療の進歩によりサルベージ手術の重要性は高まってきている.【目的】食道癌に対するサルベージ食道切除術の治療成績を検討する.【対象】2000-2016年に根治的CRT後にサルベージ食道切除術を施行した25例の周術期成績,予後を検討した.【結果】対象は男性23例,女性2例,年齢中央値64歳.CRT前の病期はStage 0 / I / II / III / IVa:2 / 4 / 3 / 8 / 8例.CRTの照射線量は60Gy:23例,56Gy:1例,54Gy:1例で,24例に5-FU/CDDP療法が併用された.サルベージ手術の施行理由は,癌遺残:12例,再発:10例,新規癌:3例であった.手術は開胸食道切除術:23例,開胸食道切除術および咽頭喉頭切除術:1例,非開胸食道切除および咽頭喉頭切除術:1例であった.手術時間は中央値324分,出血量は中央値160ml,R0切除は20例(80%),縦隔リンパ節郭清個数は中央値6個であった.術後合併症は18例(72%)で,呼吸器関連が6例(24%)と最多で,縫合不全は4例(16%)であった.急性心筋梗塞にて1例(4%)が在院死亡した.術後在院日数は中央値19日であった.術後観察期間は中央値19か月で,9例に再発/増悪を認め,全体の術後3年生存率は56.0%であった.R0切除症例の術後3年生存率は,R1/2切除症例と比較して有意に良好であった(69.3% vs 0%,P<0.001).手術の理由が遺残の症例12例と再発/新規癌の症例13例に分けて比較検討すると,遺残症例はR0切除率が低い傾向があり(66.7% vs 92.3%,P=0.160),縦隔リンパ節郭清個数は有意に多かった(10個 vs 2個,P=0.036).術後合併症率(75% vs 69.2%,P=1.000)や在院日数(中央値21日 vs 19日,P=0.189)に有意差は認めなかった.術後3年生存率も有意差を認めなかった(40.9% vs 64.6%,P=0.257).【まとめ】サルベージ手術は,合併症や在院死亡などのリスクが高く,R0切除の可否が予後を規定しうるため,症例に応じた正しい適応判断が求められる.
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