演題

WS09-2

Resectable膵癌に対するgemcitabine併用術前化学放射線療法

[演者] 高橋 秀典:1
[著者] 秋田 裕史:1, 小林 省吾:1, 友國 晃:1, 杉村 啓二郎:1, 文 正浩:1, 大森 健:1, 安井 昌義:1, 宮田 博志:1, 左近 賢人:1
1:地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター 消化器外科

【緒言】膵癌取扱い規約第7版(JPS)ではR0切除達成の可能性を基準としResectabilityの定義が整理された.Resectable膵癌には,(1)大血管浸潤を認めないもの(R)から,(2)半周以下の門脈浸潤のみを認める症例(R-PV),(3)主要動脈周囲神経叢浸潤を認める症例(R-PL),までの幅広い局所進展を呈する腫瘍が含まれている.【目的】我々はResectable膵癌の内,膵外浸潤を認める進行膵癌(JPS-T3)に対しgemcitabine併用術前CRTを施行している.本研究の目的はResectable膵癌に対する術前CRTの治療成績を評価し,腫瘍局所進展と予後・再発形式との関連を検討することとした.【方法】術前CRTを施行したResectable膵癌296例を対象とし,(1)R:n=196,(2)R-PV:n=55,(3)R-PL:n=45,に分類し治療成績を検討した.術前CRTとしては50~60Gy/5週の放射線治療に加え,1000mg/m2のgemcitabineを3回投与/4週x3クール施行した.【結果】全症例(n=296)の切除率は89%,R0切除率は99%であった.リンパ節転移陽性率は28%,44例(17%)で90%以上の腫瘍破壊を認めた(Grade3・4).切除例の5年生存率は53%,非切除例の生存期間中央値は11ヶ月であり,全症例の5年生存率は49%であった.局所進展別の治療成績ではR・R-PV・R-PLの切除率は91%,84%,82%で同等であり,R0切除率は98%,100%,100%であった.R・R-PV・R-PLのリンパ節転移陽性率は26%,26%,41%であり,R-PLで高い傾向にあった.R・R-PV・R-PL切除例の5年生存率は59%,47%,37%であり,R-PLで有意に不良であった(vs R;p=0.002,vs R-PV;p=0.044).R・R-PV・R-PLの5年累積局所再発率(11% vs 20% vs 7%),腹膜再発率(14% vs 21% vs 20%)には有意差を認めなかったが,遠隔再発率においてR-PL(70%)はR(42%)・R-PV(51%)より有意に高率であった.非切除例も含めた全症例での5年生存率は55%,43%,30%であり,R-PLで有意に不良であった(vs R;<0.001,vs R-PV;p=0.047).【結論】Resectable膵癌に対する術前CRT施行下において,ほぼ全例でR0切除を施行し得ており,Surgicalな観点からのResectabilityの定義としては妥当であると考えられる.一方で,主要動脈周囲神経叢浸潤は予後不良因子であり,その原因は遠隔再発であった.Oncologicalな観点からは,R-PLは"Resectable"よりは"Borderline resectable"に近い臨床像を呈すると考えられる.
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